褥瘡そのものへの処置や予防は主に医師や看護師が担います。
しかしリハビリセラピストにとってもその方法を知識として知っておく必要があります。
本記事では褥瘡の処置や治療について解説します。
褥瘡の処置や治療について
褥瘡に対しての処置や治療についてですが、
- 創の洗浄と、壊死組織への切除(デブリドマン)
- 薬剤や創傷被覆材による湿潤療法
- 耐圧分散マットや適切な体位変換
- 栄養管理
…があげられます。
以下にそれぞれ解説します。
創の洗浄と、壊死組織への切除(デブリドマン)
深い褥瘡の治療においては、創の洗浄と壊死組織の切除(デブリドマン)が重要です。
このプロセスでは、褥瘡から汚染物質や壊死組織を取り除き、清潔な治癒環境を作ることが目的です。
壊死組織の除去は、感染リスクを低減し、健康な組織の成長を促進するため、治療の初期段階で行われます。
薬剤や創傷被覆材による湿潤療法
浅い褥瘡の治療には、湿潤療法が用いられます。
この方法では、薬剤や創傷被覆材を使用して創傷を適度に湿潤に保ち、治癒を促進します。
湿潤環境は細胞の移動を容易にし、新しい組織の成長を助け、創傷治癒の過程を加速させます。
耐圧分散マットや適切な体位変換
褥瘡の予防と治療には、耐圧分散マットの使用や適切な体位変換が不可欠です。
これらの措置は、褥瘡が生じやすい部位への圧力を軽減し、血流を改善し、皮膚への負担を減少させます。
定期的な体位変換は、特に長時間臥床している患者において重要で、圧力を均等に分散させることが可能です。
栄養管理
栄養管理は、褥瘡の治療において重要な役割を果たします。
適切な栄養摂取は、身体が必要とするエネルギー、タンパク質、ビタミン、ミネラルを提供し、傷の治癒を促進します。
特に、タンパク質、ビタミンC、亜鉛などは創傷治癒に必要な栄養素であり、褥瘡患者の栄養状態を評価し、必要に応じて栄養サポートを行うことが重要です。
リハビリセラピストは褥瘡処置においてなにができる?
これらを踏まえたうえで、リハビリセラピストにとっても褥瘡予防と治療において重要な役割を担うはずです。
そのためにはまず、患者の体位変換を定期的に行い、特に圧力がかかりやすい部位の耐圧分散を心がける必要があります。
また、リハビリテーションプログラムを通じて、患者の活動量を増やし、血流促進を目指すことが重要になります。
患者の運動能力や感覚の状態を評価し、適切な運動や活動計画を提案することで、長時間の同じ姿勢による圧力を軽減できます。
さらには栄養面では、患者が十分な栄養を摂取できるようサポートし、必要に応じて栄養士と連携も求められます。
特にタンパク質、ビタミン、ミネラルは創傷治癒に必要な栄養素です。
また、褥瘡の早期発見と予防のために、患者の皮膚状態を定期的にチェックし、異常があれば早急に医療チームに報告することが重要になるはずです。
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