では、意識障害はどのような要因で発生するのでしょうか?
本記事では…
- 意識障害の種類
- 意識障害の原因
- 意識障害の予後
…について解説します。
意識障害の種類
まず、意識障害は大きく2つに分けられます。
- 意識レベルの低下
- 意識内容の変化
この2つはそれぞれさらにに細分化されるので、以下に解説します。
意識レベルの低下
“意識レベルの低下”は外界からの刺激に対する反応が弱くなる状態です。
その程度によって…
- 傾眠
- 昏迷
- 昏睡
…と呼び方が変わるので注意が必要です。
傾眠
放っておくと眠ってしまう状態。
昏迷
見当識がなくなり、じっとしていない状態。
半昏睡
痛み刺激に対して、顔をしかめるなどの反応を示す状態。
昏睡
重度の意識喪失状態。
外界の刺激に対して反応せず、目を開かず、言葉を発せず、運動反応も見られない危険な状態。
意識内容の変化
もう一方の”意識内容の変化”は自分や周囲の状況を正しく認識できない状態を指します。
この意識内容の変化にもその様子によって
- せん妄
- もうろう状態
…と呼び方が変わります。
せん妄
興奮したり、幻覚や妄想がある状態です。
一時的な意識の障害であり、混乱や錯覚、幻覚などの症状が現れます。
思考や判断能力が乱れ、現実感や時間感覚が失われることもあります。
もうろう状態
意識が狭くなっており、全体的な判断能力が低下している状態です。
そのため注意力や思考能力が鈍くなります。
このもうろう状態では、個人の反応や行動が鈍くなり、正常な判断や思考が困難になります。
意識障害の原因
意識障害はさまざまな原因によって引き起こされることがあります。
以下に一般的な意識障害の原因として…
- 脳損傷
- 脳血管障害
- 中毒
- 代謝異常
- 感染症
- 神経変性疾患
- 発作やてんかん
- 精神的・心理的要因
…について解説します。
脳損傷
頭部外傷による脳の損傷は、意識障害の主な原因となります。
脳の構造や機能が損傷されることで、意識の喪失や障害が生じる場合があります。
脳血管障害
脳卒中(脳梗塞や脳出血)は、脳への血液供給の問題によって引き起こされます。
血管が詰まったり破裂したりすることで、脳組織に酸素や栄養が供給されず、意識障害が生じる可能性があります。
中毒
特定の薬物、アルコール、または有害な物質の摂取や過剰摂取は、意識障害の原因となることがあります。
これらの物質が神経系に影響を与え、意識の喪失や異常な状態を引き起こすことがあります。
代謝異常
代謝異常(例: 低血糖、高血糖、電解質異常)は、体内の化学物質や栄養素のバランスが崩れることで、意識障害を引き起こす可能性があります。
特定の代謝疾患や内分泌系の障害も意識障害の原因となることがあります。
感染症
脳炎、髄膜炎、敗血症などの感染症は、脳や神経系に影響を与え、意識障害を引き起こすことがあります。
感染が神経組織に広がることで、意識の喪失や認識障害が生じる可能性があります。
神経変性疾患
アルツハイマー病、パーキンソン病、レビー小体型認知症などの神経変性疾患は、神経組織の損傷や変化によって意識障害が生じる場合があります。
これらの疾患は、脳の特定の領域や神経回路に影響を与え、意識や認知の機能に障害を引き起こす可能性があります。
発作やてんかん
発作やてんかん発作は、脳の異常な電気的活動によって引き起こされることがあります。
これにより、意識障害や一時的な意識喪失が生じることがあります。
精神的・心理的要因
心理的ストレス、うつ病、不安障害などの精神的な要因も、意識障害の原因となることがあります。
心理的な負担や精神的な疲労は、意識の混濁や変動、分離感などの症状を引き起こす可能性があります。
意識障害の予後
予後は、意識障害の原因、重症度、患者の年齢、既存の健康状態などに依存します。
一部の患者は完全な回復を遂げることができますが、他の人は一部の症状や障害を残す場合があります。
重度の意識障害や重篤な原因による場合、予後は不確実であり、持続的な障害や慢性的な状態が残る可能性があります。
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