作業そのものを分析するためのポイント

作業分析の方法ですが、そもそもその作業そのものを分析するにはどうしたらよいでしょうか?
本記事では作業そのものを分析するためのポイントについて解説します。

作業そのものを分析するためのポイント

作業療法士が出会う患者が求める活動は、様々といえます。
そうなると臨床において、その作業を分析するにあたっての知識はある程度でよいでしょうし、ポイントを押さえれば網羅できるはずです。

ここでは…

  • 作業全体の概要と特徴、使用する道具や主要工程を把握する
  • 作業に不可欠な運動や感覚、認知、情緒、対人技能などの要素とそのレベルを理解する
  • 作業の治療的効果や改善点を特定し、治療に役立つ分析へ統合する

…の3つについて解説します。

作業全体の概要と特徴、使用する道具や主要工程を把握する

作業の概要と特徴、使用する道具や主要工程などの把握は、作業そのものを包括的に理解するための第一歩です。
作業の概要を把握することで、どのような活動が行われているのか、その特徴や目的が何かを把握します。
さらに、使用される道具や主要工程を知ることで、作業の流れや段階、必要なリソースなどを把握します。

これにより、作業全体の構造や特性を理解し、分析の基礎を築くことができます。

作業に不可欠な運動や感覚、認知、情緒、対人技能などの要素とそのレベルを理解する

作業に必要な運動や感覚、認知、情緒、対人技能などの要素とそのレベルの理解は、作業に関連する複数の要素やスキルを把握し、それらの実行レベルを詳細に理解することを指します。
例えば、作業に必要な具体的な運動や感覚、認知プロセス、情緒の制御、人間関係構築のスキルなどを把握し、そのレベルや状態を理解します。

これにより、作業の実行に必要なスキルや要素を明らかにし、個々の作業者がどれだけの能力を持っているかを把握できます。

作業の治療的効果や改善点を特定し、治療に役立つ分析へ統合する

治療的な効果や工夫すべき点の確認は、作業を治療的手段として活用するための観点です。
作業における治療的な効果やその作業が適している条件、また工夫や変更すべき点を明らかにします。
具体的な治療目的や作業の遂行における困難、または作業の改善点を特定し、それを治療に統合するための戦略を構築します。

この過程で、作業の効果的な利用方法や、患者やクライエントの個別ニーズに応じた適応策を見出すことが求められます。

作業療法士はすべての作業に精通していないといけない?

まれに陥りやすい問題ですが、作業療法士はすべての作業に精通していないといけない…と思い込んでしまうこと。
つまり、食事や更衣といったADLから料理や洗濯などのAPDL。
さらには自動車運転から手芸、園芸、木工や革細工。
もっといえば釣りや登山やスポーツまで…。

患者の生活に関わるであろう作業や活動にはすべて精通していないと…と考えてしまいがちです。

でも実際にはそれは現実的ではありません。
上記のようなポイントを抑えることで、臨床の現場でその作業について学びながら対応していくことができる…とも言えます。

ただ前提としては、その作業そのものに興味を持つってことのほうが作業療法士には重要かもしれないね!
興味がなかったらそもそも学ぼうとすることもできないですからね!

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