PDAS(日常生活障害度)は、日常生活における障害の程度を測定する20項目の尺度です。
本記事ではこの評価方法について解説します。
PDAS(日常生活障害度)とは?
PDAS(日常生活障害度)は、個人の日常生活における障害の程度を測定するための指標です。
この指標は、日常生活の様々な側面において、個人がどの程度の困難を経験しているかを評価することを目的としています。
具体的には、日々の生活活動、仕事や学業、社会的な交流などに影響を及ぼす障害の度合いを数値化し、それに基づいて必要な支援や治療の計画を立てるために用いられます。
PDAS(日常生活障害度)の開発方法
PDAS(日常生活障害度)の開発プロセスには、最初に32項目からなる予備尺度を作成し、それを慢性疼痛患者100名に適用して項目分析を行いました。
その結果、最終的に20項目からなるPDASが構成されました。
また、この尺度の妥当性を検討するために、健常者113名のデータも収集されました
PDAS(日常生活障害度)の質問項目
PDAS(日常生活障害度)の質問項目は以下の通りになります。
- 掃除機かけ、庭仕事など家の中の雑用をする
- ゆっくり走る
- 腰を曲げて床の上のものを拾う
- 買い物に行く
- 階段を登る
- 階段を降りる
- 友人を訪れる
- バスや電車に乗る
- レストランや喫茶店に行く
- 重いものを持って運ぶ
- 料理を作る
- 食器洗いをする
- 腰を曲げたり、伸ばしたりする
- 手を伸ばして棚の上から重いもの(砂糖袋など)を取る
- 体を洗ったり、拭ったりする
- 便座に座る
- 便座から立ち上がる
- ベッド(床)に入る
- ベッド(床)から起き上がる
- 洗髪する
PDAS(日常生活障害度)の回答方法
PDAS(日常生活障害度)の回答方法は4件法に基づいています。
各項目に対して以下のように回答します。
- 「この行動を行うのに全く困難(支障)はない」: 0点
- 「この行動を行うのに少し困難(苦痛)を感じる」: 1点
- 「この行動を行うのにかなり困難(苦痛)を感じる」: 2点
- 「この行動は苦痛が強くて私には行えない」: 3点
この方法により、各質問項目に対する回答を点数化し、日常生活における障害の程度を評価します。
PDAS(日常生活障害度)の平均やカットオフ値について
PDAS(日常生活障害度)の平均得点とカットオフ値ですが、以下のようなデータがあります。
外来治療群の平均データ
外来治療群の平均得点は12.2(標準偏差12.6)、入院治療群の平均得点は23.9(標準偏差11.8)で、両群間には統計学的に有意な差が認められました。
健常大学生の平均データ
健常大学生の平均得点は5.2(標準偏差5.3)、慢性疼痛患者の平均得点は17.4(標準偏差13.6)で、こちらも統計学的に有意な差が認められました。
PDASのカットオフ値
カットオフ値に関しては、10点未満を健常と判別し、それ以上の得点であれば慢性疼痛と判別する方法が採用されました。
この基準で、健常大学生を正しく判別できた割合は85.8%、慢性疼痛患者を正しく判別できた割合は60.8%でした。
PDAS(日常生活障害度)の注意点
PDAS(日常生活障害度)を使用する際の注意点の一つとして、特定の質問項目がすべての回答者に適用可能でない可能性があります。
例えば、「学校または仕事に行くこと」に関する項目は、主婦や退職した高齢者など、特定の状況にある人々には適用できない可能性があります。
そのため、PDASを幅広い層の患者に適用できるよう、このような質問項目は最終的な尺度から削除されました。
この点は、PDASを特定の対象群に適用する際に考慮すべき重要な要素です。
尺度がすべての回答者に適切であることを確保するために、これらの制限やバイアスを理解し、適宜調整することが重要です。