上田による協調性テスト – 目的・方法について

検査

上肢の協調性の評価方法としては”上田による協調性テスト”があります。
本記事ではこの目的、方法について解説します。


上田による協調性テストとは?

上田氏による「協調性テスト」とは、運動麻痺の評価に用いられるテストの一つになります。
上肢の協調性を評価するために用いられることが多く、上肢の機能検査法として知られるSTEFよりも、日本ではよく用いられている…という意見もあります。

3つのサブテストについて

上田による協調性テストは3つのサブテストで構成されています。

  • 同心円目標打ちテスト
  • 縦線迂回テスト
  • 円目標打ちテスト

以下にそれぞれ解説します。

検査1:同心円目標打ちテスト

この検査では、被験者は机の上に描かれた同心円の中心を目指して、空中に浮かせた腕で鉛筆を使用し点を打ちます。
同心円は中心から外側に向かって1cmずつ直径が増加し、計5つの円があります。
10cmの高さから50回点を打ち、どれだけの点が中心の円からはみ出たか、ずれの程度やかかった時間を計測します。
この検査は、手のコントロール能力や空間認識、精密な動作の協調性を評価します。
1秒に1回というリズムを守るために、メトロノームを使用することがあります。

肘を机につけずに行うことで、手と目の協調性だけでなく、全身の安定性も同時に評価されます。

検査2:縦線迂回テスト

この検査では、縦線の切れ目を通って鉛筆で曲線を描く作業が求められます。
目標は、線に触れずにゴールまでたどり着くことです。
この過程で要する時間と縦線に触れた回数を測定します。
このテストは、目と手の協調性、プレッシャーの下での精密な動作制御を評価します。

この検査は、注意力の持続や集中力、さらには細かなモータースキルを測定するのに有効です。

検査3:円目標打ちテスト

最後の検査では、直線上に描かれた10個の円があり、被験者は鉛筆を使ってそれぞれの円に点を打ちます。
これを3秒または5秒の間隔で行い、正確に打てた点の数を測定します。
このテストは、迅速な判断と手の動きの精度、時間内にタスクを完了する能力を測定するために設計されています。
時間と速度の管理、迅速な反応、精密な手の動作が求められます。

この検査は、単純なタスクを高速で正確に行う能力を評価し、時間圧力下でのパフォーマンスを見ることができます。

特別な道具を必要としない分、すぐに臨床に取り入れやすい方法といえるね!
その代わり検査方法にばらつきが出ないように注意する必要があるでしょうね!

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