半側空間無視の訓練方法

“半側空間無視”のリハビリ訓練とはどのような方法で行われるのでしょうか?
本記事では半側空間無視の訓練方法について解説します。

半側空間無視の訓練方法

半側空間無視の訓練方法は、患者の無視症状を軽減し、日常生活の機能回復を促進するためのアプローチです。
ここでは…

  • 行動変容法(視覚走査訓練)
  • 神経機能間相互作用法(感覚覚醒訓練)
  • 視覚走査と動作の組み合わせた課題
  • 色彩配置見本の模写
  • 能力障害に対する訓練(ADL訓練)

…について解説します。

行動変容法(視覚走査訓練)

視覚走査訓練は、広がりを持った視覚対象を隅から隅まで順序良く見るように訓練する方法です。
例えば、目の前に置かれた物体を全体的に見渡すよう促したり、無視側の情報を確認するために頭を回転させる練習を行います。
しかし、この訓練による効果は特的のテスト課題に限定されることや、視覚的手がかり(キュー)の適切な使用も重要であることなども指摘されているようです。

神経機能間相互作用法(感覚覚醒訓練)

患者が無視側の刺激に注意を向けるようにするため、触覚や身体感覚を刺激する課題を行います。
例えば、患者自身が無視側を触れたりブラシで刺激することで、注意を向ける練習を行います。

視覚走査と動作の組み合わせた課題

患者に特定の動作を行いながら視覚走査を行う課題を取り入れることで、動作と注意を統合させる練習を行います。

色彩配置見本の模写

色を正確に配置する課題を通じて、患者が無視側の情報にも注意を向ける練習を行います。

能力障害に対する訓練(ADL訓練)

患者が困難を感じる日常生活動作に対してアプローチし、無視症状の影響を最小限に抑える方法を訓練します。
例えば、食事や整容の際に無視側の情報を確認するためのアンカーリング(目印)を利用する、左右の物をバランスよく配置するなどの練習を行います。

これらの訓練方法は、患者の状態やニーズに合わせて選択し、継続的なリハビリテーションプログラムとして実施されます。
訓練の目的は、無視症状の改善だけでなく、日常生活機能の向上をサポートすることです。

半側空間無視といってもその機序は複雑だからこそ、効果的な訓練方法も様々かもしれないね!
ある程度目途をつけてから、複数の訓練方法を試してみることがベターなのかもしれませんね!

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