人形やカードを使用して評価する”
本記事では
言語発達遅滞検査とは？
“S-S法”は、小児の言語検査の1つで、おもちゃや絵カードなど多様な道具を使って実施し、評価がそのまま訓練内容の参考になるように構成されています。
そもそも”言語発達遅滞検査”とは、乳幼児からの成長過程において、大脳の言語を取り仕切る大脳皮質の成長に障害を持っている場合があります。
検査方法としては、CTやMRTの検査などにおいて現状の脳の機能を判断したり、言語聴覚士などによる問いかけなどによって、正常に話の機能があるかどうかの検査を行う方法が一般的です。
S-S法とは？
「S-S法」（Sign-Significate Relations）は、幼児の言語発達を評価し訓練するための方法を指します。
このアプローチは、子どもの言語発達を…
- 記号形式と指示内容の関係（意味するものと意味されるものの関係）
- 基礎的なコミュニケーションプロセス（言語の理解や表現の基本的なメカニズム）
- コミュニケーション態度（コミュニケーションにおける社会的・感情的な側面）
…の三つの主要な領域に分けて考察します。
特徴
- 発達レベル1歳前後～小学校就学前までの段階に即した一貫した評価が可能
- 検査結果を健常児の発達と対照することが可能
- 検査結果は、そのまま言語訓練と直結した臨床評価になる
…があげられます。
それぞれ解説します。
発達レベル1歳前後～小学校就学前までの段階に即した一貫した評価が可能
S-S法は、1歳前後から小学校就学前にかけての幼児を対象に設計されています。
この方法は、子どもの言語発達を様々な段階で評価するための指標を提供します。
言語の記号形式と指示内容関係の理解度を測定することにより、子どもが言語をどのように理解し、使用しているかを詳細に分析できます。
例えば、単語の意味の理解、簡単な命令の実行、複雑な言語的指示の解釈など、言語能力の各段階を一貫して評価することが可能です。
このアプローチにより、言語発達の遅れや特定の言語障害がある子どもたちを早期に特定し、適切な支援を提供することができます。
検査結果を健常児の発達と対照することが可能
S-S法を用いることで、検査された子どもの発達水準を健常児の発達水準と比較することができます。
これにより、個々の子どもの言語発達が典型的な発達パターンに沿っているかどうかを理解するのに役立ちます。
検査結果は、年齢別の平均発達レベルと比較して解釈されるため、特定の言語能力が期待される年齢水準に達しているか、または遅れているかを明確に示します。
この情報は、言語障害のリスクがある子どもを識別し、早期介入の計画を立てるのに非常に重要です。
検査結果は、そのまま言語訓練と直結した臨床評価になる
S-S法で得られる検査結果は、直接的に言語訓練計画に反映されます。
この検査では、子どもが持っている言語能力の強みと弱みを具体的に把握できるため、その結果を基にして個々のニーズに合わせた言語訓練プログラムを作成することが可能です。
例えば、語彙の発達が遅れている場合は語彙増強に焦点を当てた訓練が、文法的な理解が不足している場合は文法構造の訓練が重視されます。
このように、S-S法は診断ツールだけでなく、個別化された言語療法の計画を立てる際の重要な基盤となります。
対象年齢
1才～6才
