起立性調節障害とは? – 原因・評価・訓練方法について

デコンディショニングは身体の不活動による機能低下を指します。
また、起立性調節障害は血圧調整の問題になります。
この両者は不活動や姿勢変化に関連する身体的な問題ですが、リハビリの臨床でも多く見られます。

本記事ではでコンディショニングと起立性調節障害について解説します。


起立性調節障害とは?

起立性調節障害(OD:Orthostatic Dysregulation)とは、立ち上がったときに血圧が急激に下がり、めまいや失神などの症状が現れることを指します。
起立性調節障害は、デコンディショニングによって引き起こされることがあります。

つまり身体の不活動により、起立耐性が低下するため、起立性調節障害の症状が引き起こされることがあります。

起立性調節障害の評価・診断方法

起立性調節障害の診断方法は、主に以下の3つのステップから成り立ちます。

  • 症状の確認
  • 各種検査
  • 新起立試験

以下にそれぞれ解説します。

症状の確認

立ちくらみ、失神、気分不良、朝起床困難、頭痛、腹痛、動悸、午前中に調子が悪く午後に回復する、食欲不振、顔色が悪いなどの症状がある場合は、起立性調節障害を疑います。
症状が強い2つ以上、または3つ以上当てはまる場合は、起立性調節障害を強く疑います。

各種検査

起立性調節障害以外の基礎疾患を各種検査で除外する必要があります。
Holter心電図や脳波検査、血液検査、尿検査、胸部レントゲン検査などが実施されます。

新起立試験

新起立試験は、起立後血圧回復時間や脈拍の変化の様子から、起立性調節障害のサブタイプに分類して診断します。

起立性調節障害はまれに失神も起こす場合があるから注意が必要だね!
失神による転倒で二次障害を起こすことも多いでしょうからね!

起立性調節障害に対しての訓練、治療

起立性調節障害の治療には、なによりも身体を動かすことが重要です。
ここでは…

  • 運動する
  • 水分をとる
  • 睡眠リズムを整える

…があげられます。
それぞれ解説します。

運動する

身体を動かすことは、起立性調節障害の治療において極めて重要です。
適度な運動は、心臓や血管の健康を促進し、血圧を安定させる助けとなります。
筋肉を鍛える運動や有酸素運動は、循環系を改善し、立ちくらみや失神を減少させる可能性があります。

水分をとる

適切な水分摂取は、血圧を維持するのに役立ちます。
水分が不足すると、血液量が減少し、血圧が低下する可能性があります。
十分な水分を摂ることで、血液の循環が改善され、起立時のめまいやふらつきを軽減することが期待できます。

睡眠リズムを整える

睡眠は身体のリフレッシュや機能の調整に重要です。
規則正しい睡眠リズムを確保することで、自律神経のバランスが整い、血圧や心拍数が安定することが示唆されています。
健康な睡眠は、起立性調節障害の症状を軽減する助けになります。

睡眠不足は自律神経に大きな悪影響を及ぼすから注意だね!
規則正しい生活を送れるような環境設定も重要でしょうね!

起立調節訓練法(チルトトレーニング)

起立調節訓練法(チルトトレーニング)は、起立性調節障害の治療に用いられるトレーニング法の一つです。

この方法は…

  1. 壁に背中を密着させる
  2. かかとを壁から約15~20cm離す
  3. お尻と背中を壁につける
  4. 下半身を動かさない状態で立ち、30分間キープする

…というシンプルなものです。
以下にそれぞれ解説します。

壁に背中を密着させる

このトレーニング法では、壁に背中を密着させることで、安定感を保ちながら姿勢を維持することが重要です。
背中を壁に密着させることで、身体の姿勢を保ちやすくし、バランスを保つのに役立ちます。

かかとを壁から約15~20cm離す

かかとを壁から離すことで、身体の重心を前方に移動させ、上半身の重さを支えるための体幹の強化を目指します。
このポジションは、姿勢を維持するために全身の筋肉を使うことを促進します。

お尻と背中を壁につける

お尻と背中を壁に密着させることで、身体全体を壁に安定させるための基盤を築きます。
この姿勢は、姿勢を維持するための核となる筋肉群を刺激し、バランスを保つための基本的な要素を強化します。

下半身を動かさない状態で立ち、30分間キープする

このトレーニングは、下半身を静止した状態で30分間キープすることで、身体の姿勢を維持し、起立時の血圧調整やバランスを改善することを目指します。
この継続的な立位姿勢トレーニングは、起立性調節障害の改善に効果があると考えられています。

訓練開始時は1日2回行い、問題なく立てるようになれば1日1回、毎日行うことを目標とするのがいいだろうね!
チルトトレーニングは、起立時間を延長できるようになり、失神の回避に有効とされていますからね!

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