記憶障害の原因やリスク要因

“記憶障害”には様々な原因があります。
本記事では記憶障害の原因やリスク要因について解説します。

記憶障害の主な原因やリスク要因

記憶障害の主な原因としてですが、次のようなものが考えられます。

  • 脳損傷
  • 神経変性疾患
  • 加齢
  • ストレス
  • うつ病
  • 薬物乱用
  • 睡眠不足
  • 栄養不良
  • 遺伝的な要因

以下にそれぞれ解説します。

脳損傷

脳損傷による記憶障害は、脳が損傷を受けることにより現れる非進行性の症状になります。
脳卒中、脳外傷、低酸素脳症、脳炎、脳腫瘍などが原因となり、高次脳機能障害の一つとして扱われます。

神経変性疾患

また、、神経細胞の構造や機能が欠落する現象である神経変性疾患(アルツハイマー病やパーキンソン病)でも記憶障害を発症します。
特にアルツハイマー病は、神経変性疾患の一つで、記憶を司る大脳辺縁系の海馬や認知機能を担当する大脳新皮質の神経細胞が、原因不明に徐々に変性・脱落していく疾患です。

この場合、記憶障害や見当識障害が先行して現れ、ほぼ100%認知症も発症するようです。

加齢

加齢による自然な記憶の衰えは、誰でも経験する現象であり、物忘れや記憶力の低下が見られます。
これは、脳内での情報処理速度が低下することによって引き起こされるようです。
また、加齢に伴い脳内での神経細胞が減少することも一因とされています。

ただし、加齢による自然な記憶力の低下は、認知症とは異なります。

ストレス

ストレスが原因となる記憶障害は、物忘れや認知症との関連性が指摘されています。
ストレスによって、脳内の神経細胞がダメージを受け、記憶力が低下することがあります。

また、ストレスによって脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることも要因として考えられるようです。

うつ病

うつ病をはじめとした複数の精神疾患では、情報を一時的に記憶して操作する作業記憶(ワーキングメモリ)の能力が低下することがわかっています。
またこの場合、思考の制止や集中力の低下が原因で起こるようです。
そのため、うつ病が治療されれば、記憶障害も改善すると言われています。

薬物乱用

薬物乱用による記憶障害は、短期的には記憶力の低下や物忘れが見られることがあります。
長期的には、脳内の神経細胞がダメージを受け、認知症を引き起こすこともあります。

睡眠不足

睡眠不足による記憶障害は、注意力や作業記憶に悪影響を及ぼすことが証明されています。
睡眠不足は、脳にある海馬が縮小することで、記憶力に影響を与えます。

栄養不良

認知症と栄養に関する多くの報告があります。
炭水化物を主とする高カロリー食や低蛋白症および低脂肪食は、軽度認知障害や認知症のリスクを高める傾向にあるとされています。
また、個々の栄養素では確定的な結果は得られていないとされています。

遺伝的な要因

記憶障害の原因は多岐にわたりますが、遺伝的な要因も一つの原因として挙げられるようです。
遺伝的な要因には、遺伝子の変異やコピー数多型、DNAメチル化やヒストン修飾などのエピジェネティック制御があります。

しかしながら、記憶障害は複雑な疾患であり、遺伝的な要因だけで説明できるものではないとの意見もあるようです。

記憶障害の背景には様々な要因が隠されているってことだろうね!
臨床では画像検査や他の症状などから包括的に判断する必要があるでしょうね!

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