ディサースリア(運動性構音障害)とは? – 定義・分類について

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ディサースリアは神経系の障害による発話障害で、原因や症状により様々なタイプに分類され、それぞれ特有の特徴があります。
本記事ではディサースリアについて解説します。


ディサースリアとは?

ディサースリア(Dysarthria)…つまり”運動性構音障害”は、神経系の損傷によって引き起こされる運動性の言語障害です。
この障害は、呼吸、喉頭機能、気流の方向、そして発音に関連する障害により、言葉の質と理解しやすさに影響を及ぼします。

ディサースリアの分類(タイプ)について

ディサースリアは、その原因となる神経系の障害の種類に応じて、いくつかの異なるタイプに分類されます。
主なタイプは以下の通りです。

  • 弛緩性ディサースリア(Flaccid Dysarthria)
  • 痙攣性ディサースリア(Spastic Dysarthria)
  • 失調性ディサースリア(Ataxic Dysarthria)
  • 低張性ディサースリア(Hypokinetic Dysarthria)
  • 高張性ディサースリア(Hyperkinetic Dysarthria)
  • 混合性ディサースリア(Mixed Dysarthria)

以下にそれぞれ原因と特徴別に解説します。

弛緩性ディサースリア

弛緩性ディサースリアは、下位運動ニューロンの障害に起因する発話障害です。
この障害は、発話に関わる筋肉の筋力低下や弛緩によって特徴付けられます。
これにより、発声時に息漏れが発生し、発音が不明瞭になることが一般的です。
患者は、弱い声、ゆっくりとした発話、またはしゃべることが困難な状態を経験することがあります。
発話障害は、日常生活におけるコミュニケーションに影響を与え、社会的な交流や職業活動に障害をきたすことがあります。

このタイプのディサースリアの診断と治療は、発話機能の改善と患者の生活の質の向上を目指しています。

痙攣性ディサースリア

痙攣性ディサースリアは、上位運動ニューロンの障害によって生じる発話障害です。
この状態は筋肉の硬直や緊張が特徴で、発声時には通常よりも多くの労力が必要になります。
このため、話す速度が遅くなることがあります。また、声の震えや不安定さが発声の特徴として現れることもあります。
これらの症状は、患者の発話の明瞭さやコミュニケーション能力に大きな影響を与える可能性があります。
日常生活や社会的な活動においてコミュニケーションを取る際に障害が生じることもあり、患者の生活の質に影響を及ぼします。

痙攣性ディサースリアの治療には、発話の質を改善し、患者のコミュニケーション能力をサポートするためのアプローチが用いられます。

失調性ディサースリア

失調性ディサースリアは小脳の障害によって引き起こされる発話障害です。
この障害は、発話のリズムや強弱の調整に困難が生じることが特徴で、話し言葉が不均一になり、調子が一定せず断続的になることがあります。
この現象は「スキャン発声」と呼ばれ、話し言葉が一定のリズムで不自然に区切られるように聞こえます。
患者はまた、発話の速度や音量をコントロールするのが難しいことを経験することがあります。
失調性ディサースリアは、コミュニケーションの障害だけでなく、患者の自己表現や社会生活にも影響を与える可能性があります。

治療には、発話のリズムや流暢さを改善するための練習や技術が含まれます。

低張性ディサースリア

低張性ディサースリアは、基底核の障害、特にパーキンソン病などの疾患によって引き起こされる発話障害です。
このタイプのディサースリアの主な特徴は、発声の強さが低下し、話す速度に変化が生じることです。
また、発音の不明瞭さも一般的な症状で、言葉がぼやけたり、スムーズにつながらない場合があります。
これらの症状は、患者のコミュニケーション能力に大きな影響を及ぼし、日常生活での表現や社会的な交流に障害をもたらす可能性があります。

低張性ディサースリアの治療には、発声の質や発音の明瞭さを改善するための練習や技術が含まれます。

高張性ディサースリア

高張性ディサースリアは、基底核の障害によって生じる発話障害で、ハンチントン病などの疾患が原因で発生することがあります。
このディサースリアの顕著な特徴は、不随意運動(振戦やジャークなど)による発話の困難さです。
これらの不随意運動は、音声の断続性や発音の不明瞭さを引き起こし、話す際の流暢さや明瞭さに影響を与えます。
発話中に音量やピッチが不規則に変わることもあり、これによりコミュニケーションがさらに難しくなる可能性があります。
高張性ディサースリアは、日常生活や社会的な活動におけるコミュニケーションの質に大きな影響を与えるため、効果的な治療とサポートが重要です。

治療には、発話のコントロールを向上させるための練習や技術、そして不随意運動を管理する方法が含まれます。

混合性ディサースリア

混合性ディサースリアは、複数の神経系の障害に起因する発話障害で、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの疾患が典型的な原因です。
このタイプのディサースリアは、上記のディサースリアのタイプ(弛緩性、痙攣性、失調性、低張性、高張性)の特徴が複合的に現れることが特徴です。
例えば、筋力の低下や筋肉の硬直、発話のリズムや強弱の調整の困難、発音の不明瞭さなどが組み合わさることがあります。
これらの症状は、患者のコミュニケーション能力や日常生活に大きな影響を与えることがあります。
混合性ディサースリアの治療は複雑であり、個々の患者の症状の組み合わせに応じてカスタマイズされます。

治療には、発話の質を改善するための練習や技術、代替コミュニケーション手段の使用、日常生活でのコミュニケーションスキルの強化などが含まれます。

これらのディサースリアの種類は、それぞれ異なる神経病理学的原因によって分類され、それぞれの発話障害の特徴が診断に役立つんだ!
ディサースリアは多くの神経学的状態の頻繁な症状であり、進行性の神経疾患と一般的に関連しているんですね!

参考

Enderby, P. (2013). Disorders of communication: dysarthria.. Handbook of clinical neurology, 110, 273-81 . https://doi.org/10.1016/B978-0-444-52901-5.00022-8.

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