立体覚とは?

識別感覚の一つである”立体覚”。
本記事ではこの立体覚についての定義や障害されることでの日常生活への影響について解説します。

立体覚とは?

立体覚は、物体や環境の三次元的(立体的)な情報を捉え、理解するための能力を指します。
この能力は、複合感覚と識別感覚が結合して発生するものになります。
つまり複数の感覚情報を統合して、物体や空間の形状、位置、距離などの特性を把握する能力を指します。

*ちなみに視覚が関与する三次元空間における立体認知は”空間認識能力”と呼ばれる感覚です。

立体覚が失われることで起こる影響

視覚や感覚情報などの他の感覚入力なしに物体を識別できない状態は”立体認知不能(astereognosis)”と呼ばれます。
この場合、日常生活での影響は様々ですが…

  • ボタンかけやポケットから物を取り出す際の困難
  • 物体の位置や距離の認識の困難
  • 口のなかの物体の認識の困難

…などが想定されます。

ボタンかけやポケットから物を取り出す際の困難

立体覚の障害によって、日常生活でボタンをかけたり、ポケットから物を取り出す際に困難が生じます。
視覚を遮断された状態で、手や指先のみでは正確な距離感や位置認識ができなくなります。
結果、ボタンやジッパーの操作が難しくなる場合があります。

物体の位置や距離の認識の困難

立体覚が障害されると、物体の奥行きや角度を正確に把握できなくなります。
つまり、触っただけでは物体の向きや角度の認識が困難になる可能性があります。

例えば、視覚を遮断した状態で触っただけでカップや皿がどちらを向いているか…といった課題では、判断するのが難しくなるかもしれません。

口のなかの物体の認識の困難

もちろん口腔内に入った物体は視覚で認識できません。
歯を含む口腔構造内のさまざまな受容体の知覚が必要になります。
立体覚の障害によっては、口のなかの物体が何か認識できないため、咀嚼や嚥下に影響を及ぼす可能性があります。

立体覚の障害は、視覚を遮断された状態における物体の3次元的な認識が難しくなるってことだね!
そうなると、物品操作の拙劣さに影響を及ぼしそうですね!

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