皮膚書字覚はどのようなプロセスで認識されるのでしょうか?
本記事では、皮膚書字覚の伝達メカニズムについて解説します。
皮膚書字覚の伝達メカニズム
皮膚書字覚はどのような伝達メカニズムで認識されるのでしょうか。
ここでは…
- 皮膚に文字を書く刺激が加えられる
- 触覚・運動感覚の伝達
- 脊髄後索からVPL核への伝達
- VPL核から体性感覚野への伝達
…のステップで解説します。
皮膚に文字を書く刺激が加えられる
まず最初に、皮膚に文字が書かれるという刺激が感知されます。
皮膚書字覚に関与する感覚受容器としては…
- メルケル盤
- マイスナー小体
- ルフィニ終末
- パチニ小体
…があげられます。
皮膚に文字や数字が書かれる刺激をこれらの受容器が感知した際、その情報を含んだ信号を生成します。
触覚・運動感覚の伝達
感覚受容器で生成された信号は、触覚と運動感覚の神経経路を通じて脊髄後索まで伝達されます。
脊髄後索からVPL核への伝達
脊髄後索での情報処理の後、感覚情報は脊髄後索から対側の視床後外側腹側核 (VPL) に伝達されます。
この際の感覚情報の伝達経路ですが…
- 脊髄後索での交差:皮膚からの感覚情報は脊髄後索で反対側に交差します
- 側索の表層部での経路形成:交差した感覚情報は、側索の表層部で外側脊髄視床路を形成します
- 上行経路の形成:外側脊髄視床路は、延髄、橋背側部、中脳被蓋を通って上行し続けます
- 視床の後外側腹側核 (VPL) での終結:上記の経路を辿った感覚情報は、最終的に視床の後外側腹側核 (VPL) に到達し、この脳の領域で情報処理と解釈が行われます
…となります。
VPL核から体性感覚野への伝達
視床の後外側腹側核 (VPL) に到達した皮膚書字覚の情報は、同側の体性感覚野に達し認識されます。
体性感覚野は、身体の感覚情報を統合し、認識、理解、および適切な応答を生成する脳の領域です。
皮膚書字覚は複合感覚の一つであり、二点識別覚との関連性も高いけど、その情報が投射される脳の領域が異なるのかもしれないね!
ただ二点を識別できるorできないだけではなく、さらに脳ではテキスト情報と統合する必要がありますからね!