アプリヘンジョンテスト（Apprehension test） – 肩関節不安定性の評価・習慣性肩関節脱臼の鑑別方法

検査

2023.12.30

肩関節不安定性への徒手的な検査方法として“アプリヘンジョンテスト（Apprehension test）”があげられます。
今回は、このアプリヘンジョンテストの目的や方法、診断学的有用性について解説します。

アプリヘンジョンテストとは？

アプリヘンジョンテストとは…肩甲上腕関節の前方不安定性の評価の徒手検査法の一つになります。
習慣性肩関節脱臼の鑑別を主な目的としています。

ここではアプリヘンジョンテストの検査方法について解説します。
検査の流れとしては次の通りになります。

以下に詳しく解説します。

被験者は背臥位の姿勢になります。
そして、肩関節90度外転位、肘関節90度屈曲位の肢位になります。

検者は被験者の手関節を把持して肘を支えるようにします。
この段階でも被験者に痛みや不安感がないかどうか確認します。

ゆっくりと肩関節を外旋させます。
万が一、被験者より不安感の訴えや様子が見られたらすぐに中止します。

肩関節を90度外旋するまでに肩の不安感や痛みの訴えがあれば陽性とします。

アプリヘンジョンテストにおける診断学的有用性については次の通りになります。

著者	信頼性	感度	特異度	陽性尤度比	陰性尤度比
van Kampen DA,et al（2013）	NR	98.3	71.6	3.46	0.02
Farber AJ,et al（2006）痛み	NR	50	56	1.13	0.9
不安感	NR	72	96	20.22	0.29
Lo lk,et al（2004）	NR	52.78	98.91	48.42	0.48

被験者の痛み、不安感への訴えや様子をしっかりと把握して行うことが重要でしょうね！

ラポールの破綻につながってしまいますからね！