クロスオーバー内転検査(Cross-body adduction test)は、肩関節の痛みを調べるための検査方法の一つです。
本記事ではその目的、方法などについて解説します。
クロスオーバー内転検査とは?
クロスオーバー内転検査(Cross-body adduction test)とは肩甲帯から肩関節の検査を目的とした徒手検査法になります。
Cross Body Adduction testやScarf testとも呼ばれています。
この検査法は、肩鎖関節病変の検査法の一つであり、肩上部の肩鎖関節付近に痛みが出る場合に陽性と判断されます。
クロスオーバー内転検査の検査方法
ここではクロスオーバー内転検査の検査方法について解説します。
検査の流れとしては次の通りになります。
- 被験者は立位で検査肢位になる
- 肩関節を最終域まで水平内転させる
- 水平内転方向に圧迫を加える
- 痛みの有無について確認する
以下に詳しく解説します。
1.被験者は立位で検査肢位になる
被験者は立位で検査肢位…
- 肩関節90度屈曲位
- 肩関節最大内転位
…にします。
2.肩関節を最終域まで水平内転させる
検者は肘と肩甲帯を支えて、肩関節を最終域まで水平内転させます。
3.水平内転方向に圧迫を加える
その肢位からさらに水平内転方向に圧迫を加えます。
4.痛みの有無について確認する
肩関節上面、肩鎖関節付近に痛みを訴えれば陽性とします。
クロスオーバー内転検査の診断学的有用性
Cross-body adduction testにおける診断学的有用性については次の通りになります。
著者 | 信頼性 | 感度 | 特異度 | 陽性尤度比 | 陰性尤度比 |
---|---|---|---|---|---|
Micheroli R,et al(2015) | Kappa=0.40 | 38 | 96 | 9.50 | 0.65 |
Cadogan A,et al(2013) | NR | 64 | 26 | 0.86 | 1.39 |
van Riet RP(2011) | NR | 67 | NR | NA | NA |
Park HB,et al(2005) | NR | 22.5 | 82 | 1.25 | 2.67 |
Chronopoulos E,et al(2004) | NR | 77 | 79 | 3.67 | 0.29 |
NR:報告なし NA:該当なし
![](https://therabby.com/wp-content/uploads/2023/12/rabby-ot.png)
クロスオーバー内転検査は自分でも行える簡便な検査の一つだろうね!
肩のセルフチェックにも役立たせることができるのでしょうね!
![](https://therabby.com/wp-content/uploads/2023/12/rabby-pt.png)