アルツハイマー型認知症の方を介護している家族の方を対象にした評価として、DAD(Disability Assessment for Dementia)があります。
本記事ではこのDADの特徴や評価方法などについて解説します。
DADとは?
DAD(Disability Assessment for Dementia)とは認知症のクライアントの日常生活動作(ADL)を評価するための尺度になります。
介護者にインタビューすることで、認知症患者の自立度や介護ニーズを把握することができます。
DADは、在宅で生活するアルツハイマー型認知症のクライアントを対象として開発されました。
DADの特徴について
DADの特徴としてはクライアントの「できること/できないこと」とは異なり,過去2週間以内に「したか/しなかったか」をアセスメントする評価スケールという点があげられます。
評価項目の領域としては…
- 衛生
- 着衣
- 排泄
- 摂食
- 食事の用意
- 電話の使用
- 外出
- 金銭管理
- 服薬
- 余暇、家事
…からなっており、40の質問項目によって構成されています。
これらの項目は、基本的な日常生活動作(B-ADL)と高次の日常生活動作(IADL)に分けられ、それぞれに得点が付けられます。
ただしこれらの評価項目は、クライアントの性差や文化的な習慣によって適応ではない項目になる場合もあります。
そのため、クライアントの生涯行ったことのないような項目(いままで一度も料理をしたことがない男性etc)は除外したうえで評価します。
残った項目の得点を分母にしてそのパーセンテージを算出する方法になります。

DADはどんな場面で役立つ?
DADは、認知症クライアントの日常生活動作における強みや弱みを把握することで、介護計画の立案や評価に役立ちます。
また、介護者の負担感や介護の質を改善するための支援にも有用です。
DADは、認知症患者の症状や介護環境に応じて、定期的に行うことが望ましいとされています。
DADのメリット、デメリットについて
ではDADを行うメリット、デメリットとはそれぞれなにがあげられるでしょうか?
それぞれあげるとしたら、次のような項目があげられます。
メリット
- B-ADLとIADLの両方を評価できる
- 患者の遂行能力だけでなく、介助者の視点も考慮できる
- 各項目の重み付けが可能で、患者の生活環境や文化に合わせて調整できる
デメリット
- 時間や場所に制約がある
- 記憶障害やコミュニケーション障害がある患者には適用できない
- 項目数が多く、評価に時間がかかる

