S-M社会生活能力検査(social maturity scale)- 目的・特徴・方法・結果の見方について

S-M社会生活能力検査(social maturity scale)- 目的・特徴・方法・結果の見方について 検査

社会生活における必要な適応技能を検査する方法として、“S-M社会生活能力検査(social maturity scale)”という方法があります。
しかし、よくある質問として…

  • やり方がわからない
  • 結果の見方が難しい
  • 社会生活指数の算出方法がわからない

…といったものがあげられます。

今回は、このS-M社会生活能力検査(social maturity scale)について解説します。


S-M社会生活能力検査(social maturity scale)とは?

S-M社会生活能力検査(social maturity scale)とは?
“S-M社会生活能力検査(social maturity scale)”とは対象者の適応技能を検査する方法の一つになります。

目的について

S-M社会生活能力検査の目的
S-M社会生活能力検査の目的としては基本的な社会生活能力の程度を、日常生活の具体的な場面における行動から、相対的に簡便にとらえることになります。

このことから、知的障害や発達障害などの特徴をもつ対象者への指導の手がかりにすることがあります。
これは“S-M社会生活能力検査”が、

社会生活能力=自立と社会参加に必要な生活への適応能力

…と定義している背景からなります。

特徴について

S-M社会生活能力検査の特徴
S-M社会生活能力検査の特徴についてですが…

  • 検査者は対象者を直接検査するのではなく、対象者の日常生活の様子や状態を把握している保護者、もしくは担任教師などが回答する
  • 回答結果をもとに社会生活年齢(SA)と社会生活指数(SQ)が算出することが可能
  • 社会生活年齢(SA)はそれぞれの領域別に求めることが可能
  • プロフィール欄へ領域別SAを描くことで、子どもの社会生活能力の特徴を視覚的に捉えることが可能

…などがあげられます。

対象年齢、適用範囲について

S-M社会生活能力検査の適用対象範囲
S-M社会生活能力検査の適用対象範囲についてですが、乳幼児~中学生…とされています。

実施時間について

S-M社会生活能力検査の実施時間
概ね20分程度とされています。

質問事項について

S-M社会生活能力検査の質問項目
質問項目は発達年齢段階ごとに分かれていて、129項目で構成されています。

評価対象領域について

S-M社会生活能力検査の評価対象領域
S-M社会生活能力検査(第3版)は、次の6つの社会生活能力から構成されています。

  • 身辺自立:SH(Self Help)
  • 移動:L(Locomotion)
  • 作業:O(occupation)
  • コミュニケーション:C(Communication)
  • 集団参加:S(Socialization)
  • 自己統制:SD(Self-Direction)

以下にそれぞれの項目別でまとめてみます。

身辺自立:SH(Self Help)

衣服の着脱、食事、排泄といった身辺自立に関する能力

移動:L(Locomotion)

自分の行きたい場所へ移動するための能力

作業:O(occupation)

道具の扱いなどの作業遂行に関する能力

コミュニケーション:C(Communication)

ことばや文字などによるコミュニケーション能力

集団参加:S(Socialization)

社会生活への参加の具合を示す能力

自己統制:SD(Self-Direction)

わがままを抑え、自己の行動を責任を持って目的に方向づける能力

対象者の何がつまずく原因かを明確にすることが重要


知的障害や発達障害を有する対象者にとって、与えられた環境のなかでどういう生活の適応力を持っているのかを客観的に把握する評価は、その後の指導や支援プログラム立案に重要な役割を果たします。
“S-M社会生活能力検査”のような方法で、どのような支援をすることが対象者にとって必要かを明確にすることは支援する側にとっても重要なことと言えます。

S-M社会生活能力検査の入手方法

S-M社会生活能力検査はサクセスベルなどの販売サイトで購入できます。

サクセス・ベル

社会生活能力はその人の性格や成育歴、環境によるものもあるから非常に評価が難しいかもしれないね!
S-M社会生活能力検査だけでなく包括的な評価が求められるでしょうね!

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