IT技術やICT技術を作業療法をはじめとしたリハビリテーション技術に応用できるのでは…と考え勉強しています。
でも“IT”,“ICT”、“IoT”と似たようなその用語は様々でこんがらがります(泣)
そこで本記事ではこのIT、ICT、IoTといった言葉の違いと、今後予防医学とどうリンクさせていくか?について解説します。
ITとは?
ITの定義や意味についてですが…
ITとは、「情報技術」のことで、コンピューターやデータ通信に関する技術の総称
…とされています。
このITという言葉の意味は非常に広く、情報通信分野の基礎技術から応用技術の範囲にまで及ぶようです。
具体的に言えば…
コンピューターやインターネットを中心とするネットワークを活用し、会社の業務や生活に役立てるための技術
…を指すことが多いようです。
ICTとは?
そして最近特に言われることが多くなってきた“ICT”ですが、これは“Information and Communication Technology(情報通信技術)”の略称になります。
つまり…
情報技術を活用したコミュニケーション
…を指すことになります。
ICTの具体的な例について
そうは言ってもいまいちICTについてピンときません(苦笑)。
ICTの例としてあげると…
- コンピューター:デスクトップ、ノートブック、タブレットなど
- 携帯電話:スマートフォン、フィーチャーフォンなど
- ソフトウェア:オペレーティングシステム、ワープロ、グラフィックデザインソフトなど
- インターネット:ウェブブラウザ、Webアプリケーション、インターネットサービスなど
- ネットワーク:LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)など
- 電子メール:Webメール、クライアントソフトウェアなど
- 音声通話:VoIP(Voice over Internet Protocol)、Skypeなど
…などがあげられます。
これらはICTの一部であり、現在ではさらに多くのテクノロジーが開発されています。
…でもこれって一般的なITと同じですよね?
ITとICTの違いは?
というわけで、ICTという言葉について調べていきましたが、結論から言うとITとICTは言葉としてはほぼ同義…だそうです。
場合によっては…
- IT:コンピューター関連の技術そのもの
- ICT:コンピューター技術の活用
…と区別されて使用する場合もあるようですね。
でも、国際的にもICTという言葉が定着していることから、日本でもICTという言葉が定着しつつあるようです。
IoTとは?
ではもう一つ、これも最近よく聞く“IoT”についてはどのような意味になるのでしょうか?
これも結論から言えば…
IoTとは“Internet of Things(モノのインターネット)”
…と称されます。
つまり…
様々なモノ(物)がインターネットに接続しオンライン化されることで、常に情報交換がされるようになり、相互制御化する仕組み
…ということになります。
ちなみにこのIoT(Internet of Things)という言葉は、1999年からイギリスの“Kevin Ashton(ケビン・アシュトン)”という方が最初のようです。
“P&G社”のアシスタント・ブランド・マネージャー時代に商品の物流管理の効率化のために“RFID”という技術を活用することに興味を持ち研究する時に使い始めたようですね!
IoTの具体的な例について
IoTの具体的な例としては…
- スマートホームデバイス:スマートロック、スマートスイッチ、スマート照明システムなど
- 健康管理デバイス:フィットネストラッカー、スマートウォッチ、体重計など
- スマートカー:自動運転、交通情報、燃費計算など
- 冷蔵庫:内部温度の監視、食品の残量の確認、賞味期限の通知など
- 遠隔操作デバイス:テレビ、エアコン、音楽システムなど
- 工場や農業などの産業用デバイス:設備の監視、生産性の向上、エネルギー効率の向上など
…などがあげられます。
これでもIoTの一部ですし、今後もっと多くのIoTデバイスが開発されていくでしょうね。
今後のICTはIoTなくしては語れない?
今後のICT(情報通信技術)はIoT(モノのインターネット)ありきで発展するのだと思います。
今まではICT技術を利用手段として、パソコンやスマートフォンという専用のデバイスを使用していました。
でも、今後は日常生活の様々な“モノ”とリンクすることで生活の質を向上させる機器として利用できるようになると思います。
現在でも…
- ICT×時計=スマートウォッチ
- ICT×サングラス=スマートグラス
- ICT×家電=オムニ家電
…といった現在市場に参入しているものも含め、その範囲は非常にスピーディーに拡大しています。
ICT、IoTと予防医学との親和性について
こう考えると、ICT、IoTって非常に予防医学との関連性が高くなると感じています。
あくまで仮説的な発想ですが、ICTとIoTが予防医学に貢献する方法としては…
- データ収集と分析:ICTおよびIoTデバイスを使用して、健康データを収集し、分析することができます。これにより、健康リスクを早期に発見し、予防措置を講じることができます 健康管理:IoTデバイスを使用して、健康状態をリアルタイムで追跡することができます。これにより、健康状態を監視し、必要な健康措置をすぐに講じることができます
- 健康教育:ICTを活用して、健康教育を行うことができます。これにより、健康知識を向上させ、健康リスクを回避することができま。
- リモート医療:ICTとIoTを活用して、リモート医療を実施することができます。これにより、遠隔地にいる患者さんも医療サービスを受けることができます
…などの可能性が期待できます。
これらはICTとIoTが予防医学に貢献する一部の例であり、今後さらに進化していくことが予想されます。
今後は予防の時代かも…
生活を支援する作業療法士として働いていると、いかに病気や障害が起こる前の「予防」の重要性を痛感します。
ただ、多くの人はこの予防に対しては非常に無頓着です。
- 「会社が行けって言うから、なんとなく健康診断を受ける」
- 「食生活に気を付けようとは思っても、別に症状があるわけではないからあまり気が進まない」
- 「運動不足はわかっているけど、忙しくてそれどころではない」
…こういった声はよく聞かれると思います。
実体験として自分自身の身体で体験しないこと、人はイメージしにくいのだと思います。
今現在、特に症状がないならば、無理に生活習慣を改めて健康に注意をしようとは思わないでしょう。
乱暴な言い方をすれば「痛い目に遭わなければ予防なんて意識しない」ということです。
病気の予防で重要なことは、生活のプロセスに沿った方法で行うこと
生活習慣病を含め、いかに病気にならないように意識をするってこと自体多くの人は難しいことなのかもしれません。
むしろ、重要なのはその逆の発想であって、「意識をしなくても病気の予防につなげること」だと思っています。
普段人が習慣としている活動にIoTやICTの技術を入れることがポイントだと思うんです。
- トイレで用を足すだけで、尿の成分から健康チェックができる
- 歯を磨くだけで、口腔内の状態が把握できる
- 冷蔵庫の食材から、その人の健康状態にあったレシピを提案してくれる
…普段使っている家電製品や様々なデバイスそのものが、常にその人の生活動作や活動から健康状態をチェックし、その人に合った予防方法を提案してくれる。
こういった理想を現実化してくれる技術は、ICTやIoTなんだと思うんです。
情報技術分野に特化して作業療法士が展開してもよいのでは?
今後、クライアントの生活支援を目的とする作業療法士は“福祉機器”と同様に“支援機器”としてICT、IoT技術について学ぶ必要があります。
今回はIT、ICT、IoTの言葉の違いについてというテーマから、少し作業療法への応用的な内容に広げてまとめてみました。
なんとなくこの分野に苦手意識を持つ方も多いかと思いますが、少しでも“知る”ということは、結果として目の前のクライアントに提供できる価値が増えるということに繋がるのだと思うんです。
まとめ
本記事では、IT・ICT・IoTの違いと、予防医学との親和性の高さについて解説しました。
予防のためには生活習慣を変えないといけません。
でもその変化ってごく自然に努力なくできるものでないと継続できません。
そこにIT技術、IoT技術を使うことで「がんばらない予防」ができるようになるのかもしれません。