“職業”の定義と3つのポイント【work・vocation・job・occupationの意味の違いとは?】

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小さな子供のころは「将来なりたい職業」や「どんな仕事をしたいか?」についてワクワクしながら話していましたよね?
でも大人になると、ワクワクして話していたその言葉は、社会的なステータスを表す言葉になってしまっています。
そして、仕事をする=生活のために仕方なく行っているという人がほとんどかと。

  • こんなはずではなかった…。
  • 毎日仕事に追われるなんて…。
  • いつまでこんな生活が続くのか…。

いつのまにか「働いたら負け」なんて言葉も産まれるくらい、働くことはネガティブな言葉として扱われています。

さて、実はこの“職業”って言葉を調べると、いろんな意味を含んでいる様々な英語で表すことができるんです。
自分の今の職業や仕事が、どの意味を重視しているのか?を考える事で、改めて働き方を見つめ直せるのかな?って思います。

本記事で、少しでも働きたくない、仕事に行きたくない、働くことや仕事について悩んでいる…という方の一助になれれば幸いです。

職業の定義について

“職業”という言葉は普通に使われていますが、改めて定義となると少し難しいかもしれません。
広辞苑によると、職業とは…
日常従事する業務、生計を立てるための仕事、生業、なりわい
…と、記述されています。

また、労働省職業分類によると…

  • 生計維持のために何らかの報酬を得ることを目的とする継続的な人間活動
  • 一定の社会的分担もしくは社会的役割の継続的遂行

…とされています。

つまり、職業というものは…

  • 日常的に行われる
  • 生計を維持するために行われる
  • 社会的な役割を担う

…この3つがポイントとなることがわかります。

英語による“職業”の違い

では、“職業”を英語ではどのように表現するのでしょうか?
少し英単語の方向から考えてみます。

調べると、“職業”を表す英単語としては次の通り。

  • work
  • vocation
  • job
  • career
  • employment
  • task
  • labor
  • profession
  • occupation

それぞれの違いについて以下に解説します。

work

“work”は“労働”という意味で“働く行為”そのもの、仕事を遂行する上での技能を発揮する活動の表現とされています。
workの根幹の意味としては、「(自ら)動いて機能(力)を発揮する」とあることからも、ある目的をもって努力して行う作業や労働、働き…といった意味になります。

具体的な職業そのものよりはもっと抽象的な作業や活動を指すことになります。

vocation

“vocation”は、天職や適職といった意味で使われます。
どちらかと言えば、同じ職業の意味でも、個人的、心理的な意味で用いられることが多いようです。
ちなみに語源はラテン語の「vocare(呼ぶ)」からきている単語で、「神からその使命を与えられた職業」という意味を含みます。

職業能力開発が“Vocational Development”であることや、職業リハが“Vocational Rehabilitation”と英訳されていることからも、その人の才能を含めた天職、適職を開発したり、リハビリテーションしていくという意味を含んでいると解釈ができます。

job

“job”は、お金をもらってする仕事を意味し、具体的な職種について使われることが多いようです。
一般的に言われる「仕事」はおそらくこの“job”が意味としては近いのかなと思います。

career

“career”は一般的には経歴や職歴を指します。
長期間行ってきた職業の分野や達成経歴、またこれまでの人生で従事してきた職業を意味することからも長期的なニュアンスを含んでいます。
日本でも“キャリアアップ”なんて言葉で浸透しているのでイメージは付きやすいかなと思います。

employment

“employment”は雇用関係に基づく“労働”を指し、雇われてする仕事や雇用されている状態を表現します。

task

“task”は仕事の中で割り当てられる一つ一つの作業や勤めを言います。
そのまま「タスク」として使用されていることからも、単位が小さな作業を表現していることがわかります。

“job”の中にある細かい課題…と捉えるとよいようです。

labor

“labor”は、肉体的な、精神的な労働や勤労を意味します。
どちらかといえば汗水を長し、苦労したり頑張る労働といったニュアンスを含みます。

profession

“profession”は、同じ職業でも高度な専門性を持つ職業を指します。
日本語でも同じ職業でも高い技能や知識、経験を持つ人を“プロフェッショナル”と表現することからもイメージが付くかと思います。

occupation

“occupation”も“職業”という意味で使われますが、一般的にはやや固い、形式ばった表現で履歴書などの公的文書で使用されることが多いようです。
また、その他には「(楽しみまたは日常生活の一部としての)時間の費やし方」や「気晴らし」といった意味も含まれています。

加えて、語源である「Occupy(時間や空間を「占める」)」の意味も含めて考えると、“その人が社会的な地位を確立するための重要な役割”という解釈もできます。

職業の定義に当てはめてみる

では、前述した職業の定義の3つのポイントにそれぞれ当てはめてみます。

  • 日常的に行われる:work・task
  • 生計を維持するために行われる:job
  • 社会的な役割を担う:professional・career・occupation

…こんな感じでしょうかね?
また理想の働き方って、限りなくvocationの意味に近いものであって、決してlaborの意味に近い労働ではないのかなってイメージしています。

作業療法士はどの“職業”を重要視するか?

結論から言えば、クライアントのその段階や望むものによって、どの“職業”に焦点を合わせるかが重要なのかと考えます。

  • クライアントが復職するために必要な能力や技能(work)に焦点を当てるのか?
  • 給料を得るための手段(job)を考えるのか?
  • 目の前の一つの作業を遂行すること(task)を目的とするのか?

…同じ“職業”でもその範囲や意味としては大きく変わってくるんじゃないでしょうか?

まとめ

本記事では、“職業”の定義と3つのポイントについて、英単語を軸にして深めてみました。
“職業”といってもその言葉によっては範囲やニュアンスによって様々な意味を含みます。

作業療法士がクライアントの“職業”に焦点をあてて支援する場合、この違いについて意識するとより効果的なリハビリテーションが行えると思うんですよ。

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