“勇気づけ”とは?- アドラー心理学から学ぶ人間関係

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アドラー心理学を学ぶと、「勇気づけ」という言葉に出会います。
この勇気づけって考え方を知ると、人間関係の円滑化に関係してくるんです。

今回はこのアドラー心理学における“勇気づけ”について解説します。


勇気づけについて

アドラー心理学において、「目的意識をもって、ポジティブに考える事」を“勇気づけ”と呼んでいます。
この勇気づけは主に対人関係を円滑にする考え方と言われています。

人の悩みはほとんどの場合、人間関係にまつわる悩みが根幹にあります。
その悩みに対して“勇気づけ”によって自分自身に活力を与える事で、人間関係に対して捉え方が楽になります。

自分を勇気づけるための心の持ち方とは?

“勇気づけ”の対象ですが、なによりも自分を勇気づけることが重要です。
自分を勇気づけるためには、まず“過去のことを一度保留”にして、“未来に目を向ける目的思考”に切り替えることが非常に重要です。

また相手との共同の目的を考えることも重要です。
その目的の中で、自分ができることを考え、実行するように心がけることが第1歩と言えます。

過去の解釈は自分次第ということ

よく「あの時○○していれば…」と悩むことって多いかと思います。
過去を嘆く…ってやつですね。

ただこの「あの時○○していれば…」って原因論になり、そこを深めて行っても何も解決にはつながらないということに気づく必要があります。
自分自身への勇気づけで、まず大切な考え方は、“目的志向”ということです。
大事なのは「これからなにができるだろう?」「今からできることってなんだろう?」ということを問うことです。

未来は自分自身で変えられますし、すでにその力は備わっています。
過去に過ぎた原因を嘆くより、来る未来への目的を考えたほうが建設的ということでしょうね。

例で言えば、同じ転職活動でも過去を悔いて転職するのと、未来を目指して転職するのとでは、大きな意味が違いますから。

過去のことに縛られてしまうのって、頭ではわかっているけど難しいからね。
だからこそ意識して感情を切り替えないといけないんでしょうね!

トラウマは自分の思い込み?

勇気づけに関連して“トラウマ”という言葉があります。
アドラー心理学においては“トラウマ”という概念はないそうです。

そして様々なマイナス経験は、トラウマになるとは限らないということも言われています。
問題はその経験をどう捉えるか、どのような側面で見るか…というその人の考え方の中にあります。

過去の経験がトラウマになるか、何かしらの行動材料になるかは、今現在の考え方次第ということです。
トラウマによって「できない」と思っている人は、できないのではなく、チャレンジをためらう何か他の理由があるということも知っておく必要があります。

怒りをねつ造しているということ

相手が何かしら怒りの感情を見せている場合、“その怒りの目的を探る”という視点が必要になってきます。
怒りには主に「自分の正義感を発揮したい」「主導権を取りたい」「相手を支配したい」「自分の権利を擁護したい」などの目的が隠れている場合がほとんどです。

言うなれば…

  • 正義感の発揮
  • 主導権を取りたい
  • 支配したい
  • 権利の擁護

…ということです。

相手はもちろん、自分自身が怒りの感情で頭がいっぱいになったとき、この4つの内のどこが目的なのかを探ることで、怒りをコントロールすることができます。
いわゆる「アンガーマネジメント」の手法の一つとも言えます。

怒りの根源をさぐる必要性

そうなると、怒りは単独では発生しないということになります。
怒りの根底には、不安、悲しみ、さみしさ、落胆、心配、くやしさといった感情…“一次感情”が隠れている。
つまり怒りの原因ですね。

それに対して怒りという感情自体は“二次感情”と呼びます。

怒りは決して、怒りそのものが単独で発生することはなく、必ずこれらの一次感情が伴います。

よく怒っている人相手への傾聴は難しいと言われますが、これは怒りの感情(二次感情)に寄り添ってばかりだから難しくなってしまうということです。
二次感情にフィードバックするのではなく、その原因である一次感情がどこにあるのかを判断し、そのまま伝えるという姿勢が大事になります!

アドラー心理学の本を読んでみつけた、「怒りはねつ造している」…って、思い当たる場面多い気がするね!
よく易怒性な認知症の人や高次脳機能障害の人も、そこには原因である一次感情が隠れているって視点は必要でしょうね!

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