評価と検査と測定の違い

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リハビリテーションにおいて、評価、検査、そして測定という言葉は結構混同して使用されている場合が多いようです。
本記事ではこの評価、検査、測定の違いについて解説します。

評価(Evaluation)

まず、評価(Evaluation)についてですが、これは”患者の動作や症状を観察し、患者の具体的な課題や問題点を特定するプロセス”とされています。

つまり、患者の状態や問題点を理解するための総合的なプロセスといえます。
これは検査や測定の結果、さらに患者の反応や症状を含む総合的な情報を元に行われます。

個別の患者に合わせて行われ、治療計画の策定や進行状況のモニタリングに役立つことができます。

検査(Examination)

検査(Examination)ですが、これは患者の状態を評価するために、”特定の手法やテストを用いて定量的または定性的なデータを収集するプロセス”を指します。

つまり検査は、特定のテストや手法を使用して、患者の能力や機能に関する具体的な数値や情報を収集することになります。
検査の結果は通常、あらかじめ設定された基準と比較され、合格か不合格かを判断することができます。

測定と同様に、検査結果は数値として表現され、患者の状態や進行度を客観的に評価するのに使用されます。

測定(Measurement)

最後に測定(Measurement)ですが、これは”様々な物理的な量(例: 距離、時間、力)を測定するために、道具や機器を使用して数値化するプロセス”になります。

測定結果は定量的で客観的であり、患者の状態や進行度を具体的な数値として示すことができます。
測定は検査の一部として行われ、治療の進捗を追跡し、治療計画の修正に役立つ情報を提供します。

目的と手段

評価、検査、測定それぞれを目的と手段という軸で考えると以下のようになります。

目的 方法
評価(Evaluation) 状態や問題点を理解するための総合的なプロセス 動作や症状を観察し、患者の具体的な課題や問題点を特定
検査(Examination) 能力や機能に関する具体的な数値や情報を収集する 特定の手法やテストを使用して定量的または定性的なデータを収集
測定(Measurement) 状態や進行度を具体的な数値として示す 道具や機器を使用して物理的な量(距離、時間、力など)を定量化

近年では、Evidence-based medicine(EBM)の考え方がリハビリテーションの分野でも取り入れられているから、より客観的で科学的な根拠に基づく治療が求められているよね!
そのため、定量的な評価方法が重視され、検査と測定が治療の効果や進捗を客観的に評価する際に重要な役割を果たしているんですね!

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