TFCC損傷【原因・症状・疼痛の特徴・治療・サポーターや湿布の有用性について】

スポーツ選手の手首の疼痛だけでなく、転倒や交通事故によっても起こる場合があるTFCC損傷。
今回はこのTFCC損傷の…

  • どのような原因で起こるのか?
  • 症状としてはどのようなものがあるのか?
  • 疼痛の特徴とは?
  • 治療としてはどのようにすればよいか?
  • サポーターや湿布は有効なのか?

…といった内容について解説します。

TFCCとは?

そもそもこのTFCCとはどの部分を指すのでしょうか?

TFCCとは…
三角線維軟骨、手関節尺側側副靭帯および掌側と背側の橈尺靭帯などを含む手関節の尺側支持機構である三角線維軟骨複合体(triangular fibrocartilage complex: TFCC)
…を言います。

つまり、尺骨や橈骨といった前腕を構成する骨と、手根骨との間の、小指側にある三角の形状をした組織を指します。
TFCCはあくまでいくつかの靭帯や軟骨が組み合わさった軟部組織の総称になります。

役割

では、TFCCはどのような役割、機能を担うのでしょうか?

TFCCの機能としては…
手根骨と尺骨の間にかかる負荷を均等にするクッションとしての作用と遠位等尺関節に安定性を与える
…という作用を担います。
つまり…

  • ベアリングのような手首の滑らかな運動のための機能
  • クッションやサスペンションのような手首の外側の衝撃を吸収する機能

…と言えます。

TFCCがあることで,手首は安定的に保持されながら複雑に動かすことができるということです。

TFCC損傷について

このTFCCが損傷することを“TFCC損傷”と言い、日本語では三角線維軟骨複合体損傷と呼びます。
ここではTFCC損傷について解説します。

原因

TFCC損傷が起こる主な原因についてですが大きく分けると…

  • スポーツ障害として
  • 転倒や事故によるもの

…の2つがあげられます。

スポーツ障害としてのTFCC損傷

様々なスポーツでも特に手首を酷使するスポーツでこのTFCC損傷を起こすケースが多いようです。
例としてはテニス、バトミントン、野球、ゴルフ、バスケットボール、バレーボール、ラグビー、器械体操、剣道、相撲などがあげられます。

転倒や事故によるTFCC損傷

また、転倒や交通事故などによってもTFCC損傷が起こる場合があります。
バイク事故や自転車事故により転倒して地面に強く手を付いてしまったとき、自動車のハンドルを握った状態で交通事故に遭ったときなど急激に手首に過負荷がかかった場合が多いとされています。

症状の特徴

TFCC損傷による主な症状としては…

  • 疼痛
  • 可動域制限
  • クリック音
  • 腫脹

…があげられます。

疼痛

TFCC損傷による痛みとしては…

  • 手関節の尺側部痛
  • 尺骨頭と手根骨の間の圧痛
  • 最大回内あるいは回外時の疼痛

…が特徴としてあげられます。

また、手関節の尺屈を強制すると疼痛が増強するのも特徴です。

可動域制限

手関節の可動域制限も見られますが、関節拘縮などによる制限よりは疼痛による制限とされています。

クリック音

手関節を回外する際にクリック音が発生する場合もあります。

腫脹

特に受傷してすぐの急性期に、手首の尺側部に腫れが見られる場合があります。

TFCC損傷の診断について

TFCC損傷の診断ですが…

  • 単純レントゲン撮影
  • エコー(超音波)検査
  • 疼痛誘発テスト

…などによって診断されます。

ここでは疼痛誘発テストについて以下に詳しく解説します。

TFCCへの圧痛

TFCCへ直接圧迫を加えた際に、主に尺骨茎状突起周囲の疼痛の有無を確認します。

TFCCストレステスト

被験者の手関節を尺屈した状態で、さらに回外操作をし手関節に対し軸圧を加える事での疼痛の有無や増悪を確認します

DRUJ不安定性テスト(遠位橈尺関節不安定性テスト)

DRUJ(遠位橈尺関節)の不安定性を確認する徒手的検査になります。
検者は一方の手で被験者の橈骨遠位端を把持し、もう一方の手で尺骨遠位端を掌背側に動かします。

この際、疼痛の有無や不安定性、クリック音などが確認できたら陽性となります。

TFCC損傷に対しての治療について

では、TFCC損傷の症例に対してはどのような治療を行ったらよいのでしょうか?
治療法方法としては大きく分けると…

  • 保存療法
  • 手術

…に分けられます。
ここではセラピストが対応できる保存療法としての方法を解説します。

保存療法

TFCC損傷への治療としての保存療法では…

  • 消炎鎮痛剤(湿布)の投与
  • サポーター、テーピングによる固定

…があげられます。

消炎鎮痛剤(湿布)の投与

消炎鎮痛剤…つまり湿布などを使うことで炎症を抑え、患部の疼痛を緩和します。
しかしあくまで対症療法のため、損傷個所の組織の修復を目的としてはいないので注意が必要です。

サポーター、テーピングによる固定

サポーター、テーピングによって手関節の安静を図り、負担を軽減します。

手術

保存療法を行っても症状が改善しない場合は手術を行うケースもあります。
この場合損傷の程度によりますが、三角線維軟骨複合体の修復術、部分切除術、あるいは尺骨短縮術などが行われます。

TFCC損傷は筋トレでも起こる?

TFCC損傷は手首への過度な負荷によって起こります。
つまり手首、前腕への過度な負荷をかける筋トレによっても起こる可能性が高いと言えます。

日常生活でどのような問題が発生する?

前腕の回内、回外動作の際の疼痛が主な症状ですので、「ドアノブを回す動作がしづらくなる」や「雑巾を絞ると痛みがある」などがあげられます。

まとめ

今回はTFCC損傷について解説しました。
治療としての基本は保存療法ですが、痛みの管理や生活のしにくさへの対応も求められます。

症状への対応だけでなく、生活障害への対応まで行って、はじめて作業療法になるでしょうね。

手のケガは生活障害にダイレクトにつながるので、早急な対応が求められるからね!
疼痛の悪化を招かないような、生活の工夫や指導まで行う必要があるでしょうね!

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