両立支援コーディネーターはクライアントの職業生活の支援に関わるためには、まずどのような方が対象かを把握しないといけません。
もちろん治療と職業生活を両立させるための支援が目的ですから、そういった人が対象になります。
でも、その対象者をしっかりと「言葉として」理解しているのといないのとでは、支援していく方向性も変わってきてしまいますから。
そこで今回は『両立支援コーディネーターが支援する3種類の対象者』について解説します。
両立支援事業の対象者
結論から言えば、両立支援コーディネーターの支援対象としては次の3つと言われています。
- 発症前に就労していた方
- 就労を継続する希望がある方
- 支援介入に同意のある方
以下にそれぞれ解説します。
発症前に就労していた方
“両立支援”の“両立”とは、「働きながら治療を続けるための支援をすること」を目的としています。
当然と言えば当然なのですが、“両立支援”という枠内では、あくまで何かしらの仕事に従事していた方が対象になってきます。
長期休業から復職を目指す方や、通院治療と就労の両立を目指す方…というイメージになりますね。
就労を継続する希望がある方
もちろんクライアント本人に就労を継続する意思がないことには始まりません。
あくまで支援ですから、本人の仕事に対する意思を尊重するということが前提になります。
とはいえ、この判断基準は非常にケースバイケースですので、なにかしらの基準値の設定が必要なのでかもしれませんけどね。
支援介入に同意のある方
“同意”ですから、両立支援コーディネーターが押しつけるような支援関係では成立しません。
あくまでクライアントと両立支援コーディネーターが見る方向が同じ…という立ち位置でないと、対象となりません。
ただ場合によっては、クライアント自身が両立支援コーディネーターの役割を理解していない場合や、支援を受ける事でのメリットを見いだせていないこともあります。
これでは、やはり同意につながらないのかと思います。
となると、両立支援コーディネーター自身が…
- 自分が関わることでどのようなメリットがあるのか
- 治療をしながら仕事をするという希望をどう支援するのか
…といったことを、しっかり言語化して伝えるスキルも必要になります。
まとめ
今回は、両立支援コーディネーターの対象者について解説しました。
作業療法というリハビリの現場で、就労支援をしっかりと行うためには、まず支援者である自分自身をクライアントに知ってもらう必要があります。
何ができて、どんな支援が得意なのか。
どんなことを知っていて、どんなことが苦手なのか。
クライアント自身が、いい意味で上手に支援者を利用するための準備を整えておく…ということが、支援の対象者を明確にすることにもつながるのかもしれませんね。