ミンガッツィーニテスト(Mingazzini 試験)- 特徴・方法・注意点について

ミンガッツィーニテスト(Mingazzini 試験)- 特徴・方法・注意点について 検査

ミンガッツィーニテストは、神経学的評価のための重要な検査の一つです。
本記事ではミンガッツィーニテストについて解説します。


ミンガッツィーニテストとは?

ミンガッツィーニテストは、下肢の軽度な運動麻痺を検出するために用いられる簡便な検査方法です。
1913年にイタリアの神経学者ジョヴァンニ・ミンガッツィーニによって報告されて以来、特に神経学的評価において広く利用されています。
このテストでは、被験者が仰向けに寝た状態で両足を持ち上げ、一定時間その位置を保つことを求められます。
足がすぐに下がったり、左右の足の保持時間に違いが見られた場合、軽度の運動麻痺や筋力低下が疑われます。

ミンガッツィーニテストは、脳卒中や神経疾患の初期診断に役立つ有用なツールとして、現在も多くの臨床現場で活用されているんだ!
神経疾患や脳卒中の初期診断に有用で、臨床現場で重要な役割を果たしているんですね!

特徴

ミンガッツィーニテストは、脳卒中リハビリテーションや炎症性ミオパチー患者の評価など、様々な臨床場面で活用されています。
この検査は、急性神経疾患患者の運動機能を評価し、回復の可能性を予測するためのシンプルかつ効果的なベッドサイド検査と考えられています1)

方法・やり方

ミンガッツィーニテストの方法として…

  1. 患者の準備
  2. 下肢の位置の指示
  3. 下肢の保持
  4. 下肢の落下の観察
  5. 結果の評価

…があげられます。
以下にそれぞれ解説します。

患者の準備

患者に背臥位(仰向け)をとらせます。
患者がリラックスし、リラックスした状態でテストを受けられるように指示します。

下肢の位置の指示

患者に両側の下肢を持ち上げるように指示します。
このとき、股関節と膝関節は約90°の屈曲状態になるように調整します。

下肢の保持

患者に、この位置を一定時間(通常は数秒から数十秒)保持するように指示します。
患者がこの姿勢を保持できない場合、テストは陽性とみなされます。

下肢の落下の観察

患者が下肢を保持している間、医師は下肢が自然に落下するかどうかを観察します。
下肢が落下する速度やパターンに注目します。

結果の評価

下肢が落下した場合、これは運動麻痺や神経障害の兆候(陽性)と考えられます。
片側だけ、または両側で下肢が落下するかによって、障害の側性や範囲を評価します。

ちなみに1913年のMingazziniの報告では上肢の落下試験についても報告があったようだね2)
後に報告されたほうのBarre徴候として知られていますけどね。

注意点

ミンガッツィーニテストの注意点としては…

  • 患者の安全確保
  • 患者の全身状態と既往歴の考慮
  • 結果の正確な解釈

…があげられます。
以下にそれぞれ解説します。

患者の安全確保

ミンガッツィーニテストを行う際、最も重要なことは患者の安全です。
テスト中に患者がバランスを崩し、落下するリスクがあるため、適切な支援や安全対策が必要です。
患者が自力で下肢を持ち上げられない場合や、バランスを保つのが難しい場合は、セラピストが身体を支えることで落下を防ぎます。

また、テストを行う場所は十分なスペースがあり、周囲に怪我をする可能性のある物がないことを確認します。

患者の全身状態と既往歴の考慮

患者の全身状態や既往歴は、ミンガッツィーニテストの実施において重要な要素です。
特に心臓疾患、高血圧、骨折のリスクが高い患者など、特定の健康問題を持つ患者では、テストがリスクを高める可能性があります。
そのため、テストを行う前に、患者の医療記録を確認し、必要に応じて他の専門家と相談することが重要です。

また、患者に過度の不快感や痛みを与えないように、テストの実施方法を調整する必要があります。

結果の正確な解釈

ミンガッツィーニテストの結果は、神経学的評価の一部として慎重に解釈する必要があります。
下肢の落下は、運動麻痺や神経障害の指標となり得ますが、必ずしも特定の疾患を直接示すものではありません。
そのため、テストの結果を他の臨床的所見や診断検査と照らし合わせて解釈することが重要です。
また、患者の疲労度や緊張状態が結果に影響を与える可能性もあるため、これらの要因も考慮する必要があります。

正しい診断には、包括的なアプローチと経験豊富なセラピストや医師による評価が不可欠です。

患者さんに検査目的や方法を説明したうえで、きちんとリラックスさせて行うことが重要だろうね!
そういう配慮ができないとラポールもなにもありませんからね。

参考

  • 1)Smania, N., Gambarin, M., Paolucci, S., Girardi, P., Bortolami, M., Fiaschi, A., Santilli, V., & Picelli, A. (2011). Active ankle dorsiflexion and the Mingazzini manoeuvre: two clinical bedside tests related to prognosis of postural transferring, standing and walking ability in patients with stroke.. European journal of physical and rehabilitation medicine, 47 3, 435-40 .
  • 2)Barré試験とMingazzini試験―Mingazzini原著の重要性―

関連文献

もしこの記事に修正点やご意見がございましたら、お手数ですがお問い合わせまでご連絡ください。 皆様の貴重なフィードバックをお待ちしております。
検査
1TOCをフォローする
THERABBY
タイトルとURLをコピーしました