リハビリの現場では、心臓疾患やリスクを抱えた患者も多くいらっしゃいます。
そうなると、リハビリセラピストも心電図の基本は押さえておいて損はないはずです。
本記事では…
- 心電図の定義
- 心電図の呼び方や略称
- 開発者
- 目的や対象疾患
- 心電図のメカニズム
…などについて解説します。
心電図とは?
心電図は、心臓の電気的な活動をグラフの形で記録し、心疾患の診断と治療に役立てられる検査です。
これは心筋の電気活動を測定するため、心臓専用の筋電図とも言われます。心電図は電気生理学的検査の一種であり、日常診療で広く使用されています。
心疾患の診断と治療に役立てられる検査です。
心電図の略称
心電図は英語、ドイツ語それぞれで呼び方、略称も微妙に違います。
- 英語:ECG(electrocardiogram)
- ドイツ語:EKG(Elektrokardiogramm)
開発者について
心電図は1903年にオランダの生理学者ウィレム・アイントホーフェンによって検流計を使用して初めて測定されました。
この業績により、1924年にノーベル生理学・医学賞を受賞したようです。
また、日本においては内科学者の呉建によって導入されました。
心電図の目的と対象疾患
心電図は、心臓の電気的な活動を検知し、波形として記録することで、心疾患の診断と治療に役立ちます。
心電図検査で分かる病気には…
- 不整脈
- 狭心症
- 心筋梗塞
- 心肥大
…などがあげられます。
心電図は必要に応じて装着されたり、24時間連続で使用されることがあります。
これによって、命にかかわる緊急事態が発生した場合にすぐに対処することができます。
心臓の電気活動と心電図のメカニズム
少し心臓にフォーカスを当てて解説します。
そもそも心臓は、電気信号が刺激伝導系と呼ばれる「刺激を伝えるための電線」を伝って、心筋細胞を活動させることで収縮します。
心臓の電気現象の源となっている”心起電力”は、心臓を構成する心筋細胞の電気的な活動によって発生しています。
心筋細胞は細胞膜と原形質とから成っているが、電気的に特に活性な働きをするのは、細胞内外にあるNa+, K+, Ca2+, Crイオンなどに対してポソプ作用をもつ細胞膜になります。
この細胞膜のポンプ作用のため、膜内外にはイオン濃度差が生じ、起電力が発生しています。
つまり、心臓の電気活動を読み取る心電図は、心臓の規則的な拍動を保つために必要な電気信号を読み取る装置…ということになります。
ちなみにこの電気刺激を作り出す中心部分は、”洞結節”と呼ばれます。
通常、1分間あたり60回~80回の電気刺激が起きています。