音楽で意識障害が回復した13事例について【全部実話ですよ】

講座

大きな事故や病気によって意識レベルが低下し、昏睡状態の人に対して作業療法士ができることってかなり限られてしまいます。
急性期のリハビリにかかわっているセラピストから、よく聞かれる意見です。

でも“音楽を聴く”というアクティビティによってその低い意識レベルを回復することができるかもしれないとしたら…?
結構できることが多くなりますよね?

今回はそんな音楽を利用して昏睡状態から回復した事例について解説します。

音楽で意識障害が回復した事例

ネットなどを駆使して調べてみたら、13症例でてきました。
状況も疾患も音楽のジャンルもバラバラですが、ご紹介します。

シャーロット(7歳・脳出血)× “ROLLING IN THE DEEP”(ADELE)



2011年当時、7歳のシャーロットは脳出血による昏睡状態で寝たきりの生活を送っていました。
ある日シャーロットの母親が見舞いに来たときに、たまたまイギリスの歌手“ADELLE(アデル)”の曲『ROLLING IN THE DEEP』がラジオから流れたようです。
実はこの曲はシャーロットと彼女の母親二人でよく歌っていた思い出の曲でもありました。
この『ROLLING IN THE DEEP』をシャーロットの母親が彼女の傍で歌っていると、しばらくして昏睡状態だったシャーロットがわずかに微笑んだそうです。
昏睡状態になってから一度もなんの反応もなかったシャーロットは、これを機に劇的に回復をし、なんと2日後には会話ができるまでになったそうです!!

クラウディア(5歳・頭蓋骨骨折)דYOU’RE BEAUTIFUL”(JAMES BLUNT)



まだ5歳だったクラウディアは友人の家のバルコニーから転落して、頭蓋骨骨折という大けがを負いました。
その事故から10日間、クラウディアはずっと昏睡状態でした。
ある日クラウディアは大好きな“JAMES BLUNT(ジェームスブラント)の曲『YOU’RE BEAUTIFUL』を偶然ラジオで聴き、それがきっかけで徐々に意識を取り戻していったようです。
彼女の両親もこの奇跡に立ち会っていたようで、「クラウディアが目を開き、私たちを確認するその小さな動きが、とても大きなステップのようでした」とのコメントを残しています!

ジョン・フリン(脳出血)×THE MACK & MABEL SOUNDTRACK



ロンドンで企業のマーケティング担当として忙しい毎日を送っていたジョン・フリンは、2012年に脳出血を発症し、昏睡状態に陥ってしまいました。
ある日、彼の息子がベッドの傍でiPodを使い、父親のために大好きだったミュージカルの『Mack & Mabel』の曲を流したそうです。
それをきっかけに、昏睡状態だったジョン・フリンの意識は徐々に回復し、最終的には昏睡状態から目を覚ますことができたようです。

コリー・ジョージ(9歳・交通事故)דAMERICAN IDIOT”(GREEN DAY)



2005年、9歳の誕生日を迎えたばかりのコリー・ジョージは交通事故によりその後2週間意識不明の状態でした。
生命維持装置を使わざるを得ない状態だった彼に、彼の母親はジョージがお気に入りだった“GREEN DAY(グリーンデイ)”の『AMERICAN IDIOT』を流し続けました。
すると昏睡状態だったジョージは目を覚まし、その数時間後(!)には手足を動かすまでに回復したようです!

ジャレット・カーランド(交通事故)“THE DEVIL WENT DOWN TO GEORGIA”(THE CHARLIE DANIELS BAND)



2009年、ジャレット・カーランドは交通事故によって4か月間昏睡状態でした。
担当医師も回復の見込みがないと診断していたようですが、彼の両親が『THE DEVIL WENT DOWN TO GEORGIA』を熱心に聞かせ続け、その1年後昏睡状態から回復したようです。

ロビン(癌)דDON’T CRY ALONE”(ROBIN GIBB)



2012年、癌治療の後遺症によって昏睡状態であったロビンに妻のドワイナが“ROBIN GIBB(ロビン・ギブ)”のヒット曲『DON’T CRY ALONE』を演奏すると、昏睡状態になってから初めて声をあげたるという反応があったそうです。

サム・カーター(60歳)ד(I CAN’T GET NO) SATISFACTION”(THE ROLLING STONES)



昏睡状態であった60歳のサム・カーターは、彼が17歳の時にリリースされてから大好きだった“THE ROLLING STONES(ローリングストーンズ)”の『(I CAN’T GET NO) SATISFACTION』をヘッドフォンで聴くことで、昏睡状態から目を覚ますことができたようです!

クリスティ・キッテル(肺疾患)×BRYAN ADAMS



2007年に肺の病気による昏睡状態だったクリスティ・キッテルは、ミュージシャンである“BRYAN ADAMS(ブライアン・アダムス)”が自分の街の近くにツアーに来ている時に母親に車いすに乗ったまま連れて行ってもらったそうです。
そのコンサート中にクリスティは目を開け、昏睡状態から脱したようです!!

タイラ(6歳・交通事故)דRAINBOW”(JESSIE J)



交通事故による昏睡状態にあったタイラという6歳の少女のために、シンガーソングライターの“JESSIE J(ジェシー・J)”が彼女の病室に立ち寄り、この曲を歌った数時間後に目を覚ましたようです!

デビット・ハッセル(22歳)דLIVIN’ ON A PRAYER”(BON JOVI)



22歳のデビット・ハッセルが昏睡状態を脱したきっかけが、彼の母親が聴かせていた“BON JOVI”の曲だったそうです!

シェリル × “DYNAMO”(SI CRANSTOUN)



2013年に昏睡状態で、しかも10分間の心停止にまでなっていたシェリル・ホートン・パウエルは、お気に入りだったこの曲によって目を覚ますことができたようです。
彼女は小さいときからロカビリーの音楽を聴いてて、「私はロカビリーの音楽で育ち、それは私がいつも愛してきたものでした。これが子供の頃から私の脳にきっかけを与えたのだと思う」と後にコメントしているようです。

マリア・ニール(脳出血)×”UNCHAINED MELODY” (THE RIGHTEOUS BROTHERS)



脳出血による昏睡状態だったマリア・ニールは、彼女の結婚式に使われたこの曲を聴くことで目を覚ますことができました!

ソープ(11歳・交通事故)×”JUST THE WAY YOU ARE” (BRUNO MARS)



11歳のソープは自動車事故により昏睡状態でしたが、看護師が毎晩この曲を演奏し聴かせることで目を覚ますことができたようです!

まとめ

今回は音楽によって意識障害が回復した事例について紹介しました。

これらの事例に共通するのってどれもその人が好きな曲だったり、思い入れがある曲ってことだと思います。
もちろん全部がこのような事例のようにうまくいくとは限りませんが、こういった感覚刺激をいれることで覚醒状態の改善を図るというアプローチは、作業療法士は知っているべきかもしれませんね!

タイトルとURLをコピーしました