革細工の材料の“革”って一般的には何があるの? 【牛革だけではないようです】

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革細工(レザークラフト)で使用される素材って基本は牛革かなと思います。
でも、実際にはもっと様々な動物の革が使用されているようです。

そこで今回は、主に革細工で使用される素材である牛革や馬革、豚革などについて解説します。

革細工の“革”について

動物の皮(skin)は基本的に…

  • 表皮
  • 真皮

…で構成されています。
革細工に使用されるものはこの“真皮層”になります。
この動物の真皮は、なめしの工程を経て“革(leather)”と呼ばれるようになります。

一般革の種類について

まず、革細工に使用される革の種類についてですが、一般革とよばれているものは…

  • 牛革(カウレザー)
  • 馬革(ホースハイド)
  • 羊革(シープスキン)
  • 豚革(ピッグスキン)
  • 鹿革(ディアスキン)
  • 山羊革(ゴートスキン)

…などがあげられます。
以下に詳しく解説します。

牛革(カウレザー)




牛革は世界で最も一般的で、「原皮」といわれています。
この革は財布やバック、靴など幅広い用途で使われています。

革製品の多くは、牛革で作られているといってもよいかもしれません。
その理由としては、牛は食用として飼育されているため安定した供給量が見込めるから…のようです。

原産国についてですが、北米産ものが最も多いようです。
次いでオーストラリア、カナダとなっているようです。

ちなみに日本国内で生産された牛革は「ジナマ」と呼ばれます。
国産の牛革は管理状態が良い事から品質が高い革として人気があります。

また、牛革の特徴としては…

  • 表面の凹凸が少なく平滑で強度がある
  • 面積が大きく厚みがあり量的にも安定している
  • 繊維組織が比較的均一
  • 強度面、耐久性にも優れている

…などがあげられます。

馬革(ホースハイド)




馬革は強くて軽くてやわらかいという特徴を持ちます。
理由としては、馬は牛と違って運動量が格段に多いことから、余分な脂肪が少ないため皮が薄く軽くて柔らかくなるようです。
インテリア、レザーウェアなどに多く使われている革で、財布といった男性用の革小物にも使用されています。

また馬革と牛革の大きな違いですが、強度になります。
一般的には牛革の方が強いと言われますが、牛革は馬革に比べ分厚くやや硬めの場合がほとんどです。
もし同じ厚さ、同じなめし、同じ仕上げを行ったもので比較をすると、薄さの割には馬革の方が強くなるようです。

ちなみに、“コードバン”は馬の臀部(お尻)部分だけを使用した革になります。
馬1頭から採れるコードバンの量はごくわずかなため、非常に高級革になります。
コードバンの繊維密度は牛革のおよそ3~5倍高密度と言われ、強度や耐久性も非常に高いのが特徴です。
また、表面は美しい光沢があり硬くてハリがある革です。
そのためメンズフォーマルな財布や名刺入れ・キーケース・バッグなどの革製品に利用されることが多いようです。

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羊革(シープスキン)




羊革はきめの細かさ、柔らかさが特徴の素材です。
薄くて軽く、保温性が高いのでレディース・アウタージャケットやコート、手袋などに使用されています。
年齢によって羊革は…

  • ラムスキン
  • シープスキン

…に大別されます。
ラムスキンの方が高級品のようですね。
ただし、羊革は牛革に比べるとどうしても強度は劣ってしまいます。

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豚革(ピッグスキン)




豚革は“ピッグスキン”とも呼ばれています。
牛革の次に多く使われている革素材です。

この豚革は唯一、全ての原皮の生産が国内でで賄っています。
またアジア圏を中心とした諸外国に輸出もしています。
日本製の豚革は海外での評価も高いようです。

特徴ですが、豚革は薄くて軽量、しかも通気性が良く摩擦に強い丈夫…ということがあげられます。
ただし表皮の下がすぐに脂肪などの皮下組織になる為、ほぼ銀面だけの厚みにしか加工できないというデメリットもあります。

したがって、その薄さと丈夫さを生かす為にジャケットやコート、高級手袋や帽子だけでなく、財布、靴などにも使用されています。
しかし、国産がほとんどでも関わらず日本では、豚革というと牛革や馬革と比べるとランクの低い革という認識をしている方が多いようです。

その理由としては、豚革の最大の特徴である、銀面にある細かな凹凸と、3つ一組で三角形に並んでいる(∴のように見える)独特の毛穴模様にあるといわれています。
この独特の毛穴模様があることで通気性がよくなるのですが、同時によくも悪くも豚革だとわかってしまう…ということにあるようです。

ただその反面、ヨーロッパでは高級な革素材として認知されており、HERMES(エルメス)、GUCCI(グッチ)といった高級ファッションブランドの革製品には昔から豚革が使われています。

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鹿革(ディアスキン)




鹿革は”ディアスキン”とも呼ばれている革です。
鹿革は軽くて丈夫で柔軟性に優れています。

さらに通気性が良く水に強いという特徴があり、しかも非常にキメ細かい革です。
蒸れにくく臭いを防ぐという性能を持ち、なめらかな質感と強靭さ、柔軟さを持っているため、手袋、衣料品、ポーチなどに使われています。

しかし鹿革は牛革に比べて供給量が少ないこと、かなり傷が付きやすいく革の銀面(表面)が剥離しやすいというデメリットもあります。

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山羊革(ゴートスキン)




山羊革は感触がソフトであり、かつ丈夫でやや固いことが特長です。
また、繊維の密度が高く、傷に強く丈夫で耐久性があります。

牛革に比べると薄く柔らかいため、型崩れなどを起こしにく、さらにもむと美しいしわができるのも特徴です。
加えて希少価値が高いため高級革製品に使用されています。

子山羊の革であるキッドスキン、成山羊(大人)の山羊の革のゴートスキンの2種類にわけることができます。

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ヤク革(ヤクレザー)

ヤクはヒマラヤ高原の山脈に住んでいる牛の仲間になります。
見た目はアメリカバイソンを小型にしたようなイメージになります。

通常の牛革の3倍以上の強さを持っています。
そのため薄く加工しても充分な強度を維持できるため、軽くて通気性に優れた革になります。

革のメリット

そもそも衣料や小物に革を使用するメリッってなんでしょうか?
よく言われるものとして…

  • 丈夫で耐久性があること
  • 可塑性に富み、加工しやすいこと
  • 革の繊維は絡み合っていることから切り口がほつれにくいこと
  • 表面が美しく磨くと光ること
  • 染つきがよいこと

…などがあげられます。
綿や麻となど「布」とはだいぶ違いますね。

革のデメリット

逆に革を使用するデメリットもあります。

  • 湿気を吸うと伸び、乾燥すると縮むため変形しやすいこと
  • カビが生えやすいこと
  • 天然の皮を使用するため、素材が均一ではなくむらがあること

…などがあげられます。
メンテナンスに少々手間がかかることでしょうね。

まとめ

今回は革細工で使用する材料である一般的な革について解説しました。
これら革のメリット、デメリットを把握しておくことも、作業療法士がアクティビティに提供する際の必要なことと言えます。

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