作業療法でもよく使われるアクティビティとして「音楽鑑賞」
音楽療法の括りだけではなく、もっと大きな枠組みで音楽を使った作業療法ができると思います。
そんな中、音楽が慢性疼痛の緩和効果があるという研究結果をみつけたのでご紹介します。
イギリスの“LloydsPharmacy”の調査結果から
イギリスのプライマリケアを手掛けているイギリスの大手薬局“Lloyds Pharmacy”による2013年の調査研究です。
1500人のイギリス人(16~24歳)を対象に大規模なアンケート調査をおこなったところ、66%の人が音楽を聴くことにより痛みが軽減した経験があると答えたそうです。
その結果をみると、最も効果が高い音楽のジャンルは以下の通り。
- 1位:ポップミュージック(22%)
- 2位:クラシック(17%)
- 3位:ロック、およびインディーロック(16%)
疼痛緩和効果が高いポップミュージック
このアンケート調査の結果で「鎮痛効果が高い音楽とされたのは次の5曲」
とりあえず、一通り聴いてみると納得するかもしれません。
Simon and Garfunkel – Bridge over troubled water
Robbie Williams – Angels
Fleetwood Mac – Albatross
Elton John – Candle in the wind
The Commodores – Easy
*あくまでイギリスでのアンケート調査ということなので、世界基準で考えるともちろん違いはあります!
ストレス・不安と痛みの関係?
実は“ストレス”や“不安感”などが、痛みを増進させることが最近の調査でわかってきています。
音楽を聴くことで得られる快感って、一般的には『モノアミン系』と言われるの神経伝達物質が脳内に分泌されるためです。
このモノアミン系はうつ症状の改善に効果があるので、ストレスや不安の軽減効果があるということがわかります。
結果、痛みの軽減にもつながるのでしょうね。
まとめ
今回は音楽鑑賞による慢性疼痛の緩和効果について解説しました。
作業療法の臨床で対峙するクライアントは、何かしらの痛みや苦痛を感じている場合が多いです。
音楽を疼痛緩和に利用する…となると、もちろんまだ代替的な手段になってしまうかもしれません。
ただ、疼痛に悩むクライアントに対しては、この音楽鑑賞を作業療法プログラムに組み込むことも検討してもよいかもしれませんね!