就労支援における情報収集の内容について【何を情報収集すればいいのか迷わないために…】

作業療法では、患者さんの復職や就労支援に関わる機会も多くなってきました。
様々な評価や訓練を行う必要がありますが、なによりまずそのクライアントの情報収集が重要になります。
でも実際情報収集ってなっても、「なにをどう情報収集すればよいの?」ってなるかと思います。

そこで今回は、就労支援における情報収集について解説します。

情報収集の方法

まず、就労支援においての情報収集の内容ですが…

  • 面接で本人の希望を聞く
  • 検査や測定で客観的な能力を把握する
  • 関係者から職場環境の情報や資料を得る
  • 訪問によって環境を知る

…といった方法があげられます。
以下に解説します。

面接で本人の希望を聞く

まずは就労支援を受ける患者さんと面接を行う必要があります。
この段階で、その人のニーズやスキル、希望する職種、勤務時間帯、通勤可能範囲、その他の就労に関する希望や要望を聞き取ります。
面接を通じて、その人の意向や職業適性、職場での希望条件などを把握することが目的ですね。

また、その方が抱えている問題や課題についても話を聞き、就労支援のアプローチや支援内容を検討します。

検査や測定で客観的な能力を把握する

もちろん患者さんの希望だけを聞いていても情報としては不十分です。
患者さん自身の身体機能や精神機能を客観的に測定、評価したデータも必要です。

しっかりと評価することで…

  • どんな就労が合っているのか?
  • 起こりうるリスクはなにか?

…などについて知ることができます。

関係者から職場環境の情報や資料を得る

就労支援を受ける人が就くことができる職場について、職場の雰囲気や労働条件、職務内容などの情報を収集します。
元にいた職場に戻る復職なら、その職場の上司や人事担当の職員から情報収集します。
また、新しい職場に就職するなら、ハローワークなどから情報収集してもよいかもしれませんね。

職場の情報を知ることで、就労支援を受ける患者さんにとっての負担の軽減につながります。

訪問によって環境を知る

就労支援を受ける患者さんの自宅や近隣の環境を訪問し、その人の生活環境や就労に必要なスキル、身体的・精神的な状態などを観察・調査します。

  • 職場までの移動手段
  • 転倒リスクが高い場所の有無
  • 通勤途中に立ち寄れるような場所の有無(スーパーやコインランドリーetc)

…などが例としてあげられます。

これにより、就労に必要な課題や、支援が必要な点を把握することができます。

まとめ

今回は、患者さんの就労支援における情報収集の内容について解説しました。

就労支援のためには、患者さん自身だけではなく職場の環境についても把握する必要があります。
障害を抱えたままでも、どのようにその職場に適応するか?
どんなものを使えばスムーズにできるか?
…こんな発想が、就労支援にかかわるさ行療法士には必要なのかもしれませんね。

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