上位の交感神経系が障害されることにより生じるHorner症候群(ホルネル症候群)。
本記事では定義、原因、症状について解説します。
Horner症候群とは?
Horner症候群(ホルネル症候群)は、交感神経系の機能障害によって引き起こされる神経学的な症候群です。
この症候群は、顔面や目の周りの症状を特徴としており、上位の交感神経系が障害されることで生じます。
別名として頚部交感神経麻痺やホルネル徴候とも呼ばれます。
Horner症候群の原因
ホルネル症候群は、上位の交感神経系が障害されることにより生じる一連の諸症状です。
具体的には、視床下部から眼球へと走行する頸部交感神経の経路が遮断された場合に発生します。
この症候群は自然に発生することもありますが、脳から眼につながる神経線維を分断する病気が原因で発生することもあります。
特に中枢での障害であるWallenberg症候群(延髄外側症候群)によってこの症状が見られることがあります。
Horner症候群の症状
ホルネル症候群の症状としては…
- 患側の眼がうるむ
- 眼瞼下垂
- 縮瞳
- 眼球の陥没
- 患測顔面のほてり
…などがあげられます。
以下にそれぞれ解説します。
患側の眼がうるむ
Horner症候群では、患側の眼が潤んで見えることがあります。
これは交感神経系の働きが低下するために、涙液の分泌が増加することが原因です。
眼瞼下垂
患側の眼瞼(まぶた)が軽度に下垂する場合もあります。
これは交感神経の障害によって、眼瞼挙筋が弱まってしまうことが背景にあります。
縮瞳
Horner症候群では、患側の瞳孔が通常よりも小さくなります。
これは交感神経系の働きが低下するために、瞳孔拡張筋が弱まるためです。
眼球の陥没
時には、患側の眼球が窪んで見えることがあります。
これは交感神経系の働き不全により、眼球の位置が変わるためです。
患測顔面のほてり
患側の顔面に軽度のほてりを感じることがある場合があります。
これは交感神経系の低下により、血流が増加して起こる現象です。
動眼神経麻痺による眼瞼下垂との違い
“眼瞼下垂”という症状は動眼神経麻痺によっても起こるのですが、Honer症候群が原因の場合の眼瞼下垂とは症状に異なる特徴があります。
動眼神経麻痺による眼瞼下垂は比較的重度であり、さらに瞳孔は散大するのが特徴です。
一方、Honer症候群による眼瞼下垂は軽度の場合が多く、また瞳孔は縮瞳しているのが特徴です。