検索力とは? – デジタルな現代の社会的スキルとしての必要性について

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インターネットの登場、Googleなどの検索エンジンの発展などによって、現在はわからないことがあればすぐに検索して調べることができます。
ひと昔前まで疑問に思ったことは、人に聞いたり本で調べたりするくらいでした。

もちろん、この2つは今でも重要で基本的な「調べる方法」であることは違いありません。
でもこのインターネットで検索するということを、きちんとスキルとして身に着けることも重要です。

そして、今後の情報化社会においては、この検索するスキル…「検索力」が重要になってきます。

そこで今回は、生活能力の一つともいえる”検索力”について解説します。

本記事によって…

  • 検索力の定義って?
  • どんな能力があればよい?
  • 検索の方法は?
  • 検索の裏ワザや応用テクニックってあるの?
  • ブラウザの活用術ってなに?

…といった疑問を解決し、少しでも情報化社会を生き抜くためのスキルを身に着ける一助になれれば幸いです。

検索力とは?

まず結論から言えば、“検索力”とは…

  • 情報を検索する能力
  • 主にインターネットにおける検索能力の高さを指す
  • 情報社会の現代ではどの職業、分野でも重要なスキルの一つとされている

…のことを指します。
この検索力という言葉ですが、元々WEBやソーシャルメディアマーケティング事業を展開している“株式会社インファクト”でアドバイザーを務める“岡田ゆうか”さんが提唱したようです。

検索力で重要な3要素とは?

では、この検索力にはどのような要素があるのでしょうか?

ここでは検索力に必要な3つの要素として…

  • 情報収集のスピード
  • 多種多様な情報を収集する能力
  • 正確な情報を選択する能力

…の3つについて解説します。

情報収集のスピード

情報がめまぐるしく変化していくスピードが速い現代では、「いかにその情報を素早く集めることができるか?」…という能力も求められます。
ある意味、”より早く正確に知識にたどり着ける者が勝者”とも言えます。

現在はただがむしゃらに知識を貯め込むだけの“勉強”にはそれほど価値はなくなってきました。
インターネットやスマートフォンなどによって非常に多くの知識(情報)に簡単にアクセスできるようになったことによる恩恵とも言えます。
「知らないことはすぐに調べる」という癖は、非常に重要なスキルとも言えます。

なにか疑問に思ったり、知らないことを目の前にした際に、“調べる”、“情報を収集する”という行動にいかに早くつなげるか?が求められます。

多種多様な情報を収集する能力

1つの情報を有効活用するには…

  • その情報を多面的にみること
  • その情報のリンク先をつかむこと

…が必要です。

その為には一つの方法で検索するのではなく、様々な検索方法を知り使いこなす必要があります。
ひとつの情報を検索する際に、複数の検索エンジンやブラウザ、SNSによる検索、文献や論文上での検索、画像や動画コンテンツの検索方法があげられます。

この多種多様な情報を収集する能力が、情報を何段階も深めたりそこからリンクする他の情報に広げることにつながります。

正確な情報を選択する能力

インターネットにおける情報は非常に玉石混合と言えます。
情報収集のスピードが速くでも、その情報の正確性に乏しければそのスキルに価値はありません。
いかに正確な情報をピックアップして収集するか?という視点と同時に、収集した情報を鵜呑みにせず疑問視するという心構えも必要かといえます。

そしてインターネットが普及したからこそ、「“勉強”や“知識人”の定義」が変わってきたとも言えます。
また、「情報自体にはそれほど価値はなくなった」という見解を示す有識者もいらっしゃるくらいですから、やはり改めて必要な能力と言えます。

インフラ技術をきちんと使えるか?という視点もリハビリセラピストには必要かもしれないよね!
正確な情報を自分から取りに行かなきゃいけない場合って多いですからね!

検索の基本方法

では、必要な情報を収集するための検索方法ですが、基本的には次のような方法があげられます。

  • Google検索(デフォルト)
  • 画像検索
  • 動画検索
  • サジェスト機能
  • 「AND」検索

以下に詳しく解説します。

Google検索(デフォルト)


現代ではほとんどの人が行っているであろう「Googleによる検索」です。
Googleの検索バーに欲しい情報を入力して検索ボタンをクリックするというデフォルトな方法です。
これについては特に説明はいらないかなと。

ちなみに、bingなどGoogle以外の検索エンジンを利用するってのも検索力アップのためには頭に入れておく必要がありますね。

画像検索


情報についてデフォルトな検索方法を試してもなかなか欲しい情報にたどり着かない場合や、文字ばかりで探しにくい…なんて場合は“画像検索”をお勧めします。
実は検索結果でもデフォルトな検索結果と、画像検索による結果だと表示順が異なってきます

普通の検索方法で試しても、なかなか自分が求める情報にたどり着かない場合は「画像検索」を試すと案外スムーズに欲しい情報に辿りつける場合があります。

動画検索


最近はYoutubeをはじめとした動画コンテンツが充実してきたこともあり、欲しい情報が動画としてまとめられている場合もあります。
画像検索と合わせて使用すると、より広く検索することができます。

サジェスト機能(オートコンプリート)


キーワードを検索バーに入力すると、キーワードを入力した後に自動で予測表示がされます。
この機能を“サジェスト機能(オートコンプリート)”と言います。
検索エンジン側が入力されたキーワードと一緒に検索される可能性が高いキーワードを自動的に予測表示してくれます。

このサジェスト機能はGoogleやYahoo、Bingなどの検索エンジンに備わっています。

「AND」検索

検索バーに入力する際に「○○○ △△△」のようにワードの間にスペースを入力して検索する方法を“AND検索”と言います。
これは「○○○」と「△△△」の両方のワードを含む検索結果を表示することができます。

検索の応用方法、裏ワザテクニック

さて、ここでは応用としての裏ワザ的な次のような検索テクニックについて解説します。
今回は…

  • 「OR」検索
  • マイナス検索
  • フレーズ検索
  • ワイルドカード検索
  • タイトル検索
  • テキスト検索
  • URL文字列検索
  • サイト内検索
  • リンク検索
  • 関連サイト検索
  • ファイルタイプ検索

…についてそれぞれ解説します。

「OR」検索

「○○○ OR △△△」と検索することで、「○○○」と「△△△」というワードのどちらかを含む検索結果を表示することができます。
これは2つのワードで検索したいときに便利な方法です。
この検索方法の注意点としては、ワードの間のOR”は大文字(半角)にするということです。

マイナス検索

「○○○ -△△△」のように検索することで、「○○○」というワードは含むけど「△△△」というワードは含まないという検索結果を表示することができます。
除外したいキーワードの前に「-(マイナス)」を付ける事で、そのキーワードは検索結果に表示されないという方法です。
注意点としては“-(半角・マイナス)”のみ機能すること、“-(マイナス)”の前にはスペースを入れることです。

フレーズ検索

普通に検索バーにワードを入力する検索では、そのワードだけでなくある程度関連する記事が表示されます。
これは便利な機能ではありますが、場合によっては必要な情報にたどり着きにくくなる原因とも言えます。
その時は「“○○○”」というように、検索ワードを『“”(ダブルクオーテーション)』で囲むことで、完全一致で検索結果を表示することができます。
このダブルクオーテーションマークは、[Shift]キーを押しながら[2]キーを押すと簡単に出すことができます。

注意点ですが、完全一致のためひらがなや漢字表記、誤字などに対しても検索結果を予測して表示することができなくなります。

ワイルドカード検索

「検索をしたいけどそのワードの一部分しか思い出せない!」なんてこと、経験あるかと思います。
その時は、忘れた箇所に「*(半角アスタリスク)」を入れることで、検索エンジンが「*」の箇所を補完した状態で検索結果を表示してくれます。
これをワイルドカード検索と言います。

タイトル検索

通常は「○○○」と検索をすると、その記事のタイトルや記事内容に「○○○」を含む結果が表示されます。
しかし、「intitle:○○○」というような検索をすることで、「○○○」のワードをタイトルに含む検索結果を表示することができます。
注意点としては、「intitle:」の後にすぐワードを入力することです。

また、「○○○」と「△△△」の複数のワードをタイトルに含む検索結果を表示したい場合は、その間にスペースを入れて「allintitle:○○○ △△△」と入力します。

テキスト検索

タイトル検索とは逆に、「○○○」というワードが記事本文中に含む検索結果を表示させる場合は、「intext:AAA」と入力し検索します。
複数のワードの場合は同様に、「allintext:○○○ △△△」と入力しすることで複数のワードを含む記事本文を検索することができます。

URL文字列検索

「inurl:○○○」と入力し、検索すると「○○○」というワードをURL中に含む検索結果を表示することができます。
複数のワードの場合は、タイトル検索やテキスト検索同様に「allinurl:○○○ △△△」のように入力することで、複数ワードをURL中に含む記事を表示できます。

サイト内検索

特定のウェブサイト内の記事やページを表示する際には、「site:サイトTOPページURL ○○○」のように検索することで、そのサイト内の「○○○」というワードに関連した検索結果を表示することができます。
例で言えば、OTPRESSでFIMの記事を検索したいときは…「site:https://otpress.info FIM」になります。
ちなみにこの「site:」の部分は省略することも可能です。

リンク検索

「link:当該URL」のように検索することで、当該URLページのリンクが貼られている検索結果を表示できます。
どんなサイトから被リンクされているか調べる時に便利です。

これはブロガーやウェブサイトを運営している人が、自分のブログの被リンクを探す時にも便利な方法ですね。

関連サイト検索(類似ページを検索)

「related:当該URL」と入力することで、その当該ページに関連、類似した検索結果を表示することができます。
これもブロガーやウェブサイトを運営している人が、競合調査のために使用することが多い検索機能かと思います。

ファイルタイプ検索

「filetype:○○○」のように検索することで、そのファイルタイプを指定した検索結果を表示できます。
この機能で検索する際の主なものは…

  • 「filetype:pdf」:PDFファイル
  • 「filetype:doc」:WORDファイル
  • 「filetype:xls」:Excelファイル
  • 「filetype:ppt」」Powerpointファイル

…かと思います。
例ですが、pdfでリハビリ論文が必要な時は…「filetype:pdf リハビリ論文」と検索します。
*この場合、タイトルに“リハビリ論文”と入力されているpdfデータが表示されます。

削除済みのサイトを見たいとき

検索してみたいページが検索結果に表示されたものの、クリックして見たら「その記事は削除されました」なんてことありませんか?
その場合は「cache:URL」と入力してみると表示される場合があります。
これは運営者側の都合でそのページや記事が削除されたとしても、Google側が“キャッシュ”を補完している場合があるからです。

この検索力はなにか文献や症例などの調べる際のセラピスト側にも求められるスキルかもしれないね!
調べ方ひとつで得られる情報の量も質も変わってきますからね!

その他便利系検索方法

その他の検索ですが、次のような便利な検索方法について解説します。

  • カロリーの検索
  • 航空機の運航情報検索
  • 天気予報の検索

以下に詳しく解説します。

カロリーの検索

Googleの検索バーに、検索したい食べ物の名前と“カロリー”と入力することで、その食べ物のカロリーについて表示されます。
例として…「ハンバーグ カロリー」と入力することで、ハンバーグ100gのおおよそのカロリーの“223kcal”が表示されます。

航空機運行情報検索

出張や旅行などで飛行機に乗る際、運行状況については「航空会社 フライトナンバー」と入力することで検索することができます。
運行状況の他に、発着時刻や遅延、欠航状況なども表示してくれます。

天気予報検索

Googleの検索バーに「weather:当該地域」のように入力することで、その地域の天気予報を表示してくれます。
「weather:新宿」のように入力することで、非常にピンスポットの天気予報を表示することが可能です。

日の出・日の入り

「日の出」や「日の入り」と入力し、検索するだけで現在いる地域の日の出や日の入りの時刻を表示してくれます。

セラピストが使うべきブラウザについて

セラピスト(特に作業療法士)って、“医療”と“生活”のちょうど間にいるような職業です(私見ですが)。
“医療”だけの知識や情報が必要なら、論文や文献といった専門書で調べればとりあえずは問題ないのかもしれません。

でも、クライアントの“生活”を考えるには、専門的な知識、情報のみでは足りないと強く感じます。
それこそ、幅が広く、様々な角度・視点からみた情報と、それを“生活”に汎化・昇華していく能力が求められてきます。

Google検索はセラピスト向きではない?

実はGoogleによる検索のみでの情報収集では、少しセラピストには不十分といえます。
WEBに関する専門的な話になりますが、SEOやコアアルゴリズムのアップデートが関連するため、医療や医学、健康に関する情報は…

  • 大学
  • 病院
  • 学会
  • 有名製薬会社
  • 大手マスコミ
  • 政府や行政

…に関わるサイトが上位に表示されるようになっています。
もちろん、この結果エビデンスとして確立した信頼性の高い検索結果が上位表示されるようになったのはよいことです。
しかし、セラピストにとって重要な“生活”に関わる情報を得ようとしても、このGoogleの機能のために必要な情報になかなかたどり着かない場合が多くなりました。

google以外の検索も併用する必要がある

結論を言ってしまえば、
セラピストはGoogle以外の検索方法も併用すること
…と言えます。

個人的なおすすめの方法としては次の2つになります。

  • bing:googleとは異なる検索結果が上位に表示される
  • 画像検索:googleのコアアルゴリズムによるバイアスがかかりにくい

つまり、Googleで検索してうまく情報の表示がでないときは、Bingで検索するって癖は身に着けておいてもよいかもしれません。
この2つのブラウザを併用することだけでも、検索力は格段にアップするはずです。

これからの時代は検索力が必須のスキル?

繰りかえしになりますが、これからの時代にはこの“検索力”が非常に重要なスキルになってきます。
昔から自分で調べる力を持つ人は、どの分野でも成功すると言われています。

今後5Gが主流になるにあたって、さらに情報化社会として発展していくことは間違いありません。
重要なのは、そのほぼ無限の情報にいかに素早く、多角的にアクセスし、引き出せるか?になります。
『3人寄れば文殊の知恵』が、インターネットで上手に検索することで、1人で無限に近い情報・知識を得る事ができるということです。

検索力をあげることでのメリット

検索力を向上させると、どのようなメリットが生じるのでしょうか?

考えると次の2点があげられます。

  • 独学が可能
  • ほぼ無限に知識を得ることと同義

以下に詳しく解説します。

独学が可能

今までは新しい知識、技術を習得するには、スクールで専門コースを受講したりする必要がありましたが、これからはほぼ“独学”で行えることが可能になります。
もちろん、技術的な習得に関してはテキストや画像、動画のコンテンツのみでは難しいのかもしれません。
それでも技術を習得するための選択肢として、独学でもできる可能性が高まったと言えます。

ほぼ無限に知識を得ることと同義

前述しましたが、インターネットに普及に伴い「勉強」の定義が変わってきたと感じます。
今までは、「いろんな知識を持っている人=勉強できる人」だったかもしれませんが、今後は知識や情報はだれでもほとんど無料で手に入れることができます。

こうなると“物知り”という長所がほぼ意味をなさなくなってきたとも言えるかもしれません。
逆に言えば、“情報や知識を知っている”ことに対してのハードルが高くなくなったと言えます。

これからの「頭がいい」「仕事ができる」の定義とは?

これからの社会で必要になるのは「勉強ができる」「知識がある」ではなく…

  • いかに様々な知識、情報を正確に、素早く引き出すことができるか?
  • その知識、情報を基にアイディアとして昇華することができるか?
  • そのアイディアをどう素早く具現化、現実化できるか?

…になってきます。
「頭がいい人」「仕事ができる人」の定義はこの3つに絡んでくるのではないでしょうか?

まとめ

今回は、情報化社会を生き抜くための力である”検索力”について解説しました。

インターネットの普及によって、情報や知識は知っているだけではあまり意味をなさなくなったと言えます。
それよりもむしろ、いかに多くの情報をつなげて、組み立て、組み換え、広げていくことが重要になってきています。
そしてそれを実行や行動に移すことが重要視されてくると考えられます。

これからはChatGPTなど生成AIの影響で検索そのものをしなくなる可能性もあるけどね!
インターネットってインフラのなかにある情報をどう得ていくかってスキルは、たくさん知っていていいでしょうけどね!

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